人気ブログランキング | 話題のタグを見る

18→81


主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新の記事
最新のコメント
記事ランキング

高校演劇2017、西部A地区秋季発表会(2017.9.23~24)

高校演劇2017、西部A地区秋季発表会(2017.9.23~24)_e0320083_17383437.jpg
 9月23・24日、朝霞市コミュニティーセンターで行われた演劇の西部A地区秋季発表会に行って来た。2日間で7校の上演が行われたが、久し振りに楽しい時間を過ごさせていただいた。以下、上演順にわたしの感想を書いていくことにする。いつものように率直に書かせてもらうので、少しの批判で傷ついてしまう人は読まない方がいいかもしれない。ついでながら、批判されることが許せない人は上演なんかしない方がいいのではないかと思う。こんな前置きをしなければならないのは残念である。

和光国際高校「たりたの疾風」
 この人の書く台本は相変わらず説明ゼリフ過多で、登場人物が状況や心情を説明してばかりいるので、人物像がちっともふくらんでこない。人物がストーリー展開のために操られている(奉仕させられている)だけのように見えてしまう。「追い込まれた時こそ…」というキーワード(テーマ?)を最初から連呼してしまうので、本来セリフのやり取り(その作り出す関係や状況変化など)から自然に浮かび上がるべきプロセスが、この台本ではすっぽり落ちてしまっているように思われた。そういう部分が不足しているため、役者は非常にがんばっているのに(殺陣なども)、がんばればがんばるほど役に酔っている(役に対する冷静な視点がない)ように演じるしかなくなっていくのだと思った。
 生徒たちのやる気が、こういうかたちでうまく生かされていないことが残念でならなかった。

細田学園高校「ぼくんち」
 子ども(この場合は小学1年生)を舞台上に作ろうとする時、いかにも子どもっぽく作ろうとしてしまうと失敗することが多いのではないか。これは老人の場合でも同じなのだが、老人ぽく作ろうとした瞬間に老人は舞台上からいなくなってしまう。これは、舞台で様々な役を作ろうとする時の一般論としても言えることで、いかにもそれらしく作るのは危険も大きいと知るべきである(お笑いやギャグなどで意図的にそれを作ることはあるので、一概には言えないが)。
 この台本は子どもたちをどんなふうに作ったらよかったのか、観ていてあまり面白く感じられなかったのは、どうもそのあたりの作戦の立て方にミスがあったように感じた。あと、審査員の指摘から台本を見せてもらったが、ラストの書き換えはあまり適切とは言えないと思った。

新座総合技術高校「アメリカンに謎解きを。」
 生徒創作だが、いま流行の刑事ドラマとはいえ、一つのストーリーを曲がりなりにも最後まで作り上げていたことには感心した。だが、そのストーリーを舞台でかたちにしていくためには、お芝居の様々な約束事(舞台上の制約)といったものをもっと勉強する必要がある。台本を書く時はどんなことに気をつけなければいけないのか、それを知らずに創作台本に挑戦するのは危険だということである。せっかくのストーリーも生かされることなく終わってしまうと思う。
 キャンディスといったぶっ飛んだキャラを作り出したところなど、いかにも生徒らしくて楽しかったが、このキャラが面白すぎた反面、他の捜査一課の面々が若干個性に欠けていたような気がした。せっかくなのだから、全員にもっと思い切ったデフォルメをしても良かったのではないか。

朝霞西高校「スナフキンの手紙」
 このところ、鴻上尚史・高橋いさをといった往年の傑作戯曲に連続して挑戦している朝西だが、今回の舞台が一番きっちりと仕上がっていたのではないか。審査員の指摘にもあったように、鴻上の台本を1時間にカットしようとすると、どうしても最も鴻上らしい笑いのシーンをどんどん切るしかないのだが、それを認めた上で、今回のこの舞台は精一杯楽しめる舞台に仕上がっていたと思う。
 1、2年生混成の役者陣だったが、あまり凹凸なくそれぞれのキャラクターを際立たせていたし、セリフや動きのテンポも快調で、ストーリーをきちんと転がしていたのには感心した。確かにカットのため若干判りにくくなってしまったところはあったものの、元々よく判らん鴻上の芝居を、大きな乱れもなくしっかり最後まで見せ切っていたのは立派である。

朝霞高校「りんごの木の下で」
 シチュエーションの作り方にかなり無理がある台本だと思うが、演技でそれなり誇張するところは誇張しながらも、ギャグ的な動きなどに安易に逃げることをせず、セリフの作り出す関係性の面白さや、行き違いや勘違いの微妙な間といったもので、つまり芝居そのものの面白さを表現することで、客席の笑いを取っていたのは立派だった。遠慮なく言えば、お母さん役以外の生徒はお世辞にも上手いとは言えないレベルだったが、最後までブレることなく愚直にそれぞれの役を演じ切ったことが、後半になって次第に客席を掴んでいった理由だったと思う。
 今回の舞台で朝霞の生徒が獲得した客席の笑いは本物だった。そのことを忘れないで欲しいと思った。芝居の出来はまだまだなんだけどね、それでも客席を掴んでしまうということはあるのだ。

新座高校「お葬式」

 新座は生徒が代替わりすると、前に上演した得意な台本を再演する試みをよくやっているので、この台本も何度目かの上演だったはずである。そんなに覚えているわけではないが、過去の上演で素晴らしい「お葬式」があったという記憶はあって、それからすると今回の舞台はあまり面白いとは思えなかった。細田のところで書いたことに重なるが、やはり子どもっぽく作ろうとし過ぎてしまったことが問題だったと思う。それと関係すると思うが、(言い方が難しいのだが)細部をきちんと作ろうとするあまり(それは悪いことではないのだが)、以前は魅力であった新座的な「ゆるさ」といったもの(自然な感じ)が失われていたようにも感じた。 
 もちろんいろいろなところを作らなければ芝居にはならないのだから、難しいものである。

新座柳瀬高校「Lonely My Sweet Rose」
 「星の王子さま」の翻案である。数年前に上演したものの再演だが、今回は台本の構成がより明快になったように感じられ(台本はほとんど変えていないということだったが)、ラストがよりドラマチックになったのは確かで、柳瀬でなければ作れない舞台をしっかり見せてくれていたと思う。
 照明効果の美しさは息を呑むばかりで、ファンタジーの世界を見事に構築していたと思う。それは認めた上で、照明プランはもう少し単純にできるのではないかと感じた。見せ場となるイメージ明かりは別にして、エリア明かり(地明かりや単サス)を細かく作り過ぎたために、シーンの安定感(安心できる時間)が損なわれたように感じられるところがあった。それに、これだけやってしまうと、役者の立ち位置と当たりの微妙なズレなども必要以上に気になってしまったように思う。

 今回はコンクールなので、全日程終了後、審査員から顧問に対して地区の上位2校(県大会進出の可能性がある)が伝えられたが、わたしの見方と合致していたので安心した。ブロックとしては、次の土日に行われる南部地区の結果を待たなければならないが、何とかA地区から2校を実現して欲しいと願っている。皆さん、お疲れさまでした。
by krmtdir90 | 2017-09-25 17:39 | 高校演劇、その他の演劇 | Comments(2)
Commented by at 2017-09-25 20:17 x
週末はご観劇ありがとうございました。
今回はラストシーン以外は3年前と全く変えていないのですが、もし次の機会があればもう一度、今の部員に当て直して書き直そうと思います。
引き続き、ご観劇くださいね。
Commented by natsu at 2017-09-26 16:16 x
セリフを変えていないのに全体が明快に感じられたというのは、やはり一つ一つのシーンの作り(演技と演出)が前回よりくっきりしていたということだろうな。あとはユーモアをどう入れられるかということか。期待しています。
<< 映画「エイリアン コヴェナント」 映画「米軍(アメリカ)が最も恐... >>


カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 08月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
画像一覧
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
外部リンク
ファン
ブログジャンル