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きょうは yassall さんと2人で、東京大学教育学部附属中等教育学校(名前が長すぎ)の文化祭に行って、高校の演劇部の公演を観てきた。中高一貫校なので、高1は4年生、高2は5年生と呼ぶことを初めて知った。なるほどなと思った。
なぜそんなところに出掛けたかということについては、少々説明が要る。実はここの演劇部で顧問をされているK先生は、かつて埼玉県で県立高校の教員をしていた時代があり、その頃ともに西部A地区の演劇部顧問として切磋琢磨した仲間だったのである。 埼玉を辞めて頭書の学校に移ることになり、その後は時折会うことがあったり電話で話すことがあったりして、新しい学校でまた演劇の顧問として活躍していることは知っていたが、次第に疎遠になってしまって、ここ数年はお互いに音沙汰なしの状態になっていたのである。 ところが先日、われわれが西部B地区の審査員として所沢に伺った折、最近小手指の方に引っ越したとかで、わざわざ会場の方に足を運んでくれて、久し振りの再会となったのである。 昔ならそのまま食事に(つまり飲みに)行くところだが、われわれはまだ審査の途中で(来てくれたのは2日目の夕方だった)、もう若くないわれわれとしては、翌日の審査に影響が出るようなことがあってはならぬと(わたしより強いyassall さんは行ってもいいようなそぶりだったが)、わたしがきょうは帰ると強く言い張り、その日はそのままさっぱりと解散したのであった。 ただ、その帰りの道すがら、東京都の地区大会(夏休み中にあったらしい)で選ばれて、11月の都大会に出ることになったという話を聞き、それはぜひ観てみたいと軽い気持ちで言ってしまったところ、2週間後に文化祭があるので来てくださいという話しになってしまい、なりゆきで(もちろんこちらはヒマでもあるわけで)行くことになってしまったのである。 いやもちろん、いやいや行ったわけでは断じてない。普段なかなか観る機会のない県外の、特に都大会レベルの芝居を観る機会が偶然やって来たことに、楽しみという気分が非常に強かったと思う。そして、生憎の雨模様だったが、呼んでもらってよかったと率直に思ったのである。 「17-じゅうなな-」という題名の生徒創作で、どう言ったらいいのだろう、埼玉では(わたしの経験は抜けたところだらけだが)いままで観たことがないようなタイプの芝居で、楽しく観させてもらった。もちろん大人の目で見れば気になる部分もあるのだが、それ以上に彼女たちの(全員女子の演劇部だった)才気というか、60分を見せ切ってしまった持続する思考の跡が見事で、非常に魅力的な舞台に仕上がっていたと思った。 この種の芝居には珍しく、客席に媚びを売るようなあざとさが一切なく、結構散見されたオーバーアクションも芝居の流れを乱してはおらず、すべてが彼女たちの知性によって裏付けられている印象があり、セリフの力みが少々気になるところはあったものの、セリフやアクションの背後にある自分たちの思考をみんなが信じていて、余計な思惑とかに流されていない、その志の高さと潔さに思わず引き込まれる思いがしたのである。なかなかこういうふうに書けるものではないし、こういうふうに演じられるものではないと思った。 K先生はわれわれのために、まるで審査員席のような客席中央の一等席を用意してくださり、終演後には部員を前にわれわれが感想を述べる時間をセットして、これは余計なプランだったと思うが、振られてしまうと述べないわけにもいかなくなって、どこまで参考になったかは判らないが、感じたことはすでに言ってきてしまったから、ここに繰り返して書くことはやめておく。 しかし、その時ちょっと触れた、わたしが審査員だったらやはりこの芝居を選ぶだろうと話したことに関連して、先日審査した埼玉のCブロックで、断トツの舞台を見せた芸術総合とこの舞台がもし並んでしまったら(こういう比較は、たぶん書き過ぎなのだろうと自覚した上で、確信犯的に書いてしまうが)、わたしは恐らくこっちを選ぶだろうと思った。 それは、一言で言えば、彼女たちがいま進もうとしているこの芝居作りの、困難な方向性への「期待」だと思う。それは、彼女たちだからできる芝居作りであり、彼女たちしかできない芝居作りだと思うからである。 若者、ガンバレ。楽しい時間をありがとう、である。 あとで、ちょっと気になったこと。 取り越し苦労ならいいのですが、照明がもっと出来る上の会場に行った時、もしかすると単サスなどをあれこれ使う予定があるのかなと思わせる気配(?)を感じたのですが、個人的にはあまり照明などはいじらないで(最小限にとどめて)、キャストの演技の流れ(勢いと集中)を信じていいような気がしたのですが…。
by krmtdir90
| 2013-10-05 20:02
| 高校演劇、その他の演劇
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