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*読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。
この日は、東北本線で花巻(はなまき)まで行き、花巻を起点に釜石までの釜石線を往復するプランである。 途中の遠野で3時間、終点の釜石で2時間の散歩時間を取ってある。天気は一日良さそうなのでよかった。 釜石線は全線非電化単線の路線だが、下り始発と上り終車のみ釜石・遠野間となるが、それ以外はすべて全区間の運行で、1日の運行本数は下りが10本、上りが11本である。そのうち6本ずつが盛岡まで直通運転をしており、さらにそのうち3本ずつが快速はまゆりという設定になっている。 きょうは、往路は快速を利用して時間を節約し、復路を各駅にして気になった駅などを撮影するという計画だった(そう思い通りにはならなかったのだが)。 ということで、8:38盛岡始発の快速はまゆり1号である。 花巻で釜石線に入る時、進行方向が変わるとかで、発車時から東北本線区間を行く間は、座席が全部逆方向にセットされていた。放送では向きを変えてもいいと言っていたが、そんなことをする人はおらず、わたしも昨日乗った区間だったし、全然そんなことをしようという気は起こらなかった。 花巻駅でそれなりの乗降があり、釜石線に入って新幹線と接続する新花巻駅で乗車客があったと思うが、乗客の数もずっと程良い感じで、2人掛けシートの隣席が埋まることもなく、シートは快適だし、遠野まで結局写真は1枚も撮っていない。 10:02、遠野駅に着いた。下車する。 駅舎はなかなか重厚な感じで、昭和25(1950)年に建てられたものらしい。 さて、実際に遠野に来てみて、事前に下調べをせず、なるべく行き当たりばったりで町歩きをするというわたしのスタイルが、ここでは完全に裏目に出てしまったことを実感した。鉄道ダイヤの合間に確保する散歩時間としては、3時間というのは十分確保したつもりだったが、遠野はとにかくエリアが広すぎたのである。 駅から歩ける範囲には、とおの物語の館・遠野城下町資料館といった観光客向けの施設はあるようだったが、そういうところは後回しにして、遠野に来た以上は(実はほとんど勉強していた訳ではないのだが)柳田国男の「遠野物語」に通じるような場所に、1箇所でも2箇所でも行ってみたいと思っていたのである。 とりあえずピックアップしたのが、国の重要文化財に指定されているらしい南部曲り家・千葉家だった。ここを選んでしまったために、残りの時間が一気に減ってしまうことになったのである。 タクシーの運転手に聞いてみると、片道でも何千円という単位になるらしく、さすがに少し迷ったが、迷っていても時間ばかり経ってしまうので、ここは思い切って散財するぞと覚悟を決めて、そのタクシーに乗り込んだ。 いや、遠かった。釜石線の線路を見ながら戻って行く感じになるのだが、小さな駅が見えたのであれが隣の綾織(あやおり)駅だねと確認して、あそこから歩いたらどのくらいだろうと聞いたら、しいて最寄り駅と言うならさらに次の岩手二日町(いわてふつかまち)駅の方で、歩いたら3、40分は軽くかかるだろうと言う。 ただ、決して負け惜しみではなく、来てみて良かったと思った。帰りの足がなくなってしまうので20分くらいなら待っていてくれると言うので、タクシーを待たせた急ぎ足の見学にはなってしまったが、わたしはけっこうせっかちな方なので、それで十分だった。 下の道沿いに駐車場があり、そこから見上げた千葉家全景。真ん中の茅葺き屋根が曲り家(まがりや)になっている母屋で、左の建物は土蔵だった。 チケットの裏面にあった母屋の間取り図を拡大コピーして載せておく。曲り家というのはL字形をした家屋なのである。 この左のところが入口である。 再び外に出る。母屋の右手に大きな納屋があるが、これは以前の納屋を解体し、その材料を再利用して昭和42(1967)年に建てられたもののようだ。 この奥の方をぐるっと一回りできるようになっているようなので、行ってみる。 これが大工小屋。 母屋のL字形を反対側から見たところ。 石蔵の右手には巨大な石があって、その前に(恐らく)山からの引き水が流れ出していた。説明によると、カド(川戸)という当家の生活用水だったようだ。 さて、千葉家の見学を終えて、再びタクシーで戻ることになるのだが、すでにけっこう時間が経過している。このあとどうするか、また迷うところだが、まだ駅周辺に戻ってしまうのは早いような気がする。 とりあえず、さっき来る時に見えた釜石線の綾織駅に、ちょっと3分ほど寄り道してくれるように頼んだ。 で、綾織(あやおり)駅。 このあと、遠野駅を通り過ぎてまたかなり行かなければならないが、カッパ淵というのを見に行きたいと頼んでしまった。どうせ乗りかかった舟(タクシー)である。タクシーは伝承園という、曲り家などを移築して村の暮らしを再現した観光施設の前に停まった。カッパ淵はこの先に細道を歩いていくのだという。 道端にあった「早池峯大神」の石碑と古びた木組み。何だかよく判らないが。 さて、言われた道を辿っていくと、右手に常堅寺(じょうけんじ)という古そうなお寺があった。 本堂の脇を左手奥に入ると小さな流れがあって、そこに架かった小さな橋を渡って行くと、その先がカッパ淵だった。 流れの脇に小さなお堂のようなものがあって、その前の新しく置かれたらしいカッパの像の前にもキュウリのお供えが。 流れからちょっと離れて、これは昔からのものらしい稲荷堂があった。 傍らにあった説明看板では、「遠野物語」で河童の話が連続するあたりから58話の一節を引いて、河童の駒引き(河童が馬を流れに引きずり込もうとして、かえって馬に引きずられて里に出てきてしまう)伝説を紹介していた。 さっきの伝承園の前に戻り、煙草に火をつけながら携帯でタクシーを呼んだ。 千葉家ではなくこの伝承園で我慢しておけば、もう少し(かなり)時間的な余裕があったのだろうなと思ったが、済んだことは済んだことで、観光用に手が加えられているこちらより、あちらの方がよかったはずだと自らを納得させた。運転手が言っていたが、千葉家は最近住む人がいなくなってしまって、近々全面的な改修工事に入ることになったのだという。だから、今回見ておいて良かったのだと思った。 タクシーは思ったよりずっと早く来た。遠野駅から徒歩8分のとおの物語の館に行ってもらうことにした。結局、タクシー代は合わせて1万円ほどになってしまったが、まあ仕方がない。 とおの物語の館。 柳田国男展示館ということで、柳田国男に関連する2つの建物が移築されていた。 一つは、柳田国男が遠野を訪れた際に宿泊したという旧・高善(たかぜん)旅館。 で、これが正面玄関を入ったところ。右手に帳場などがある。 もう一つの建物は、世田谷区成城から移築した旧・柳田国男隠居所。 最後はちょっと駆け足の見学になってしまったが、やはりお昼を食べない訳にはいかない。ここには食事処も併設されていて、この日はさっぱりとざる蕎麦ということにしました。 遠野駅に通じる道。このあたりは観光客向けにすっかり整備されてしまっているようで、へそまがりなわたしはこういうのはどうも好きになれない。 12:55(カメラのデジタル記録による)、遠野駅に戻ってきた。
by krmtdir90
| 2014-09-13 20:42
| 鉄道の旅
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