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*読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。
カナディアン号は大幅な遅れを出しながらも、悠然と、淡々と、走り続けている(貨物列車待ちの停車は相変わらず繰り返されたが)。 前日の夕食時に、このまま9時間遅れで推移した場合、トロント到着は18:30、ナイアガラフォールズのホテルに着いて夕食になるのは21:00頃になるという説明があった。だが、そんなにうまくはいかないだろうとみんな感じていたのではなかろうか。カナディアン号で旅するというのは、それもまた楽しと受け止める度量?が必要だという気がした(わたしはもちろん、大好きな列車旅が続くのだから度量だらけと言ってよかったのである)。 この日、朝食時には遅れは10時間近くになっていたようだ。定時運行ならばこの朝食で車内の食事は終了になるのだが、遅れに対応するかたちで昼食までは用意されることになったらしい。当然のことである。 この日は朝から曇り空で、前日に引き続き森と湖の風景の中を走っていたが、雪の形跡はもうどこにもなかった。添乗員が配ってくれた地図によれば、ずっと東進して来た線路は昨夜あたりから東南に向きを変え、南下するに従って木々の芽吹きも緑を増していくようだった。 時刻表では、前日の15:35にホーンパイン駅(Hornepayne)に到着し35分の停車となるはずだったが、これは完全な深夜になってしまったようで、代わって深夜0:18に到着予定だった最後の停車駅、ケポレル駅(Capreol)が浮上してくることになった。 カナディアン号がケポレル駅に到着したのは10:10を少し過ぎた頃だったと思う。 それまでずっと雲に覆われていた空が、ケポレル駅に着くあたりで青空が顔を見せるようになり、停車時間中はずっと太陽と青空の下ということになった。発車する頃にはまた全天に雲が広がってしまったから、この明るい光の中の写真は相当ツイていたと言っていいのである。 駅舎の中は狭かったが、駅員らしき人もいて(後ろ姿の禿頭の人、常駐とは思えないが)、何やら活気に溢れているような感じがした。 さて、再びホームの方に戻って、 昼食の時に、カナディアン号最後の食事ということでビールを頼んだ(まあ、これまでもけっこう飲んでいたのですが)。ビールはハイネケンかカナディアンのどちらかと言うので、一応カナダに敬意を表してずっとカナディアンで通した。日本のビールと違ってあまり刺激がないので(ハイネケンでも同じだったと思う)、わたしはあまりいいとは思わなかった。 午後はずっとスカイラインカーで過ごした。風景の移り変わりは相変わらず素晴らしく、いつまでたっても飽きることはなかった。北海道の釧網本線で見る釧路湿原のような景色が、昨日からきょうのこの時間まで、とにかくほとんど途切れることなく続いたと言ったらいいだろうか。その広大さは想像をはるかに超えたものだった。 スカイラインカーの2階席の直下は簡単な厨房になっていて、時々スタッフが小さな使い捨てカップに入れたシャンパンを振る舞ってくれる。そんな時、ギターを抱えた若いデュエットがやって来て、歌を数曲披露していった。 そうこうするうちに、さしもの長時間の旅も終わりが近づいてきたようだ。次第に町や道路などが見え隠れするようになり、カナディアン号は小さな町の小さな駅に(17:40ごろ)数分間停車した。ワシャゴ駅(Washago)という表示がある。 次は、19:13(カメラの撮影記録による)にたまたま写すことが出来た駅。リッチモンド・ヒル(Richmond Hill)という駅名表示がある。 いよいよトロント駅(Toronto)が近づいてきた。東京スカイツリーなどが出来る前、世界一の高さを競っていたこともあるというCNタワーが見えている。 到着は20:30を少し過ぎていたと思う。名残惜しい気持ちが湧いてくる。 ホームに降り立つ。 カナディアン号の車体を右に見ながら、ホームを歩いて行く。 最後にもう一枚。 エスカレーターを降りると広い殺風景な待合室になっていた。 外に出る。ここから出て来たのだが、 これは全景を写すのはとても無理だと判断し、少し下がって、何とか全体の形が推測できるあたりから一枚、 ここが駅として開業したのは1927年、それ以来カナダ東部の交通の要所としてずっと利用されてきた建物のようだ。現在もたくさんの利用者があるらしい。名称はトロント・ユニオン駅(Toronto Union Station)というのが正式である。 戻りながら。出入口の、円柱の内側。 8分くらいで皆さんのもとに戻った。間もなくスーツケースも全部戻ったようで、ガイドの先導で駅舎とは反対側の出口の方に向かった。 ホテルに着いて、部屋に落ち着いた時には22:30をかなり過ぎていたと思う。ホテルのレストランで食べることになっていた夕食は、営業時間の関係もあったようで、レストランが急ごしらえしたらしいお弁当ということになってしまった。その中身については(まあいろいろ調整してくれて仕方がなかったのだろうと思うので)あまり触れたくない。 鉄道旅が終わった晩だから、ぜひとも飲みたい気分だった。バーは開いていたようだがいまから出掛ける元気はなく(英語も喋れないから面倒だし)、ルームサービスがあるらしいので(これも面倒だが電話なら何とかなるだろうと)勇気を出してかけてみた。ところが、通じたと思ったら切れてしまい、もう一度かけると今度は全然出ない。部屋の案内(メニュー)には日本語は書いてないのだからよく判らない。 仕方なく添乗員の部屋に電話して、頼んでもらえないかとお願いした。しばらくして、ドアがノックされたので出てみると、添乗員さん(突然さん付けになる)がワイングラスを2つ持って立っていた。11時を過ぎるとルームサービスも終わってしまうということだったようで、彼はわざわざバーに行って、みすからルームサービスを買って出てくれたのだった。 まだ若くて若干頼りない印象もあったのだが、この行動で彼の評価は一気に跳ね上がった。見上げた添乗員魂である。添乗員くん(くんの方が親しみがある)ありがとう。 部屋の窓からライトアップされたナイアガラの滝が見えた。しかし、昼間の姿がイメージできていないのだから、何となくパッとしない感じだった。 とにかく、楽しかったカナディアン号の旅はこうして終わったのである。
by krmtdir90
| 2015-06-02 22:57
| 海外の旅
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