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*読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。
シベリア鉄道と言うと、一般的にウラジオストック・モスクワ(駅としてはヤロスラヴリ駅)間を結ぶ路線を言うが、運行されている列車は様々なものがあるようで、代表的なものについては(たとえば有名なロシア号などは)時刻などを調べることができるが、そうでないものはよく判らないのである。 東の方では北京やウランバートルからシベリア鉄道に入って来る列車があるし、西の方は途中からモスクワ以外の都市を目指す列車も走っているようだった。添乗員を通じて聞いてもらったところでは、インターネットで(もちろんロシア語の)調べることはできるようだが、日本のような時刻表というものは存在していないようだった。 今回われわれが利用するシベリア鉄道はロシア号ではない。添乗員の話では、ハバロフスク・イルクーツク間に関して言うと、ロシア号の時間設定は非常に利用しにくいものになっていて、ハイライトとなるバイカル湖岸を走る時間も夜間になってしまって面白くないらしいのである。そのため、今回このツアーで選ばれたのは特急207号という列車で、これはウラジオストック始発だがモスクワには行かず、途中(たぶんエカテリンブルク駅)からシベリア鉄道を外れてウリヤーノフスクに向かう列車ということだった。 添乗員が事前にロシアのインターネットから作製したという、この列車のハバロフスク・イルクーツク間の時刻表を配ってくれたので、この区間のすべての駅名と停車駅、停車時間などが判ったのはありがたかった。 ロシアの鉄道の時刻表示は、時差による混乱を防ぐために一般にモスクワ時間に統一して表示されているので、そのままでは非常に利用しにくいものになってしまう。添乗員の作った時刻表は、これを現地時間に換算し直し、その時その時の時刻を併記してくれたので、大変使いやすいものになっていた。 添乗員は若い女性だったが、なかなか気さくで有能な人だと思った。ただ、聞いてみると、英語は喋れるがロシア語は全く話せないということだった。添乗先を決めるのに、現地の言葉を喋れるかどうかは考慮されないのだと言っていた。現地ガイドが付くわけだから、うまく連携を取っていけば十分やっていけるということになっているらしい。 そのため今回の旅では、ハバロフスクの現地ガイド(ロシア人女性だった)はシベリア鉄道にも同乗して、イルクーツクまで行くことになっていた。 われわれが乗る207列車は、ハバロフスク駅に40分停車して、8:09に発車することになっていた。これに乗るため、この日は朝6時30分から朝食、7時にホテル出発というタイトな日程が組まれていた。朝は人一倍のんびりしたいわたしとしては酷な日程だったが、これから始まる楽しみを考えれば文句などあろうはずもない。 ハバロフスク駅。撮影時刻は7:28である。 きっぷなども渡されなかった。朝ホテルで配布された資料ですでに号車番号や部屋は判っていたので、ツアーを一括した乗車票のようなものがあったのかもしれない。 跨線橋から見た駅舎。 わたしたちは13号車なので、その位置を確認し、わたしはとりあえず先頭の機関車を撮りに行った。今回、客車は15号車までで、その15号車が先頭になっていたから、機関車はすぐ先の所にあった。ので、余裕で行ってくることができた。 シベリア鉄道はロシアを貫く幹線なので、全線が複線で電化されている。したがって、機関車は電気機関車である。型番などはキリル文字が使われるので読み方からしてよく判らないのだが、この機関車、一応ЭП1形というもののようだ。 13号車の表示。 次に車内。 廊下。 車輌ごとにサモワールという湯沸かし器がついていて、いつでも熱湯が利用できるようになっていた。 付け加えておくと、トイレはタンク式ではなく、ペダルを踏むと水と一緒にそのまま外(線路上)に排出されるという、昔ながらのスタイルだった。そのため、駅に停車する際には施錠されて使用禁止になった。何ともおおらかと言うしかないが、車掌が折に触れて清掃しているらしく、いつ使ってもきれいだったのは気持ちがよかった。 さて、話しばかりしていても仕方がない。 8:09、定刻に列車は何の合図もなく動き出した。いよいよ2泊3日、シベリア鉄道の旅の始まりである。 ハバロフスク市内をしばらく走った後、列車はアムール川を越える。添乗員の説明では、アムール川には鉄橋のほかにトンネルもあって、どちらを通るかは判らないということだった。ガイドブックにはモスクワ方面の列車は原則としてトンネルと書いてあったのだが、この列車は原則を外して鉄橋を渡ってくれた。 添乗員が作ってくれた時刻表があるので、それを見ながら停車駅をたどってみようと思う。最初の停車駅、イン駅。この時刻表では、停車時間が短い場合(ほとんどが2分停車)は「短」と記載してあって、この駅はそれに当たる。 次からはコンパートメントのドアを開けて、両側を注意していくようにした。気配を読むのである。次のビロビジャンⅠ駅は通路側にあった。 これは駅舎ではない。 駅舎寄りの線路には電車が停まっていて、 だんだん様子が掴めてきた。この駅は停車しなかったが、通過時刻から推測してイズヴェストコフヌィ・サヴォート駅と思われる。 この列車の窓はかなり汚れている。通路側も汚れているが、特にコンパートメント側がひどいように思える。しかし、気にしていたら車窓の写真は撮れないし、それではこの先いかにも退屈なことになってしまう。まあ、普段だったら許せないが、この際は気にせず撮影していくことにする。 次は停車駅、チョープロェ・オーゼロ駅。 通路側の窓から(進行方向左側)。停車せず通過したこの建物、側線に貨車などが停まっていて、たぶん駅だと思うのだが、添乗員が作ってくれた時刻表には記載がなく、一緒に参照しているガイドブック(地球の歩き方)にも載っていない。 これも通過駅。しかし、この駅は載っている。ビラカン駅である。 次は停車駅。イズヴェストコーヴァヤ駅。 これは鉄道官舎のようなものだろうか。アパートか何かのように見えるが、壁の表示にイズヴェストコーヴァヤとあるのである。 昼食の時間になった。添乗員がしきりに恐縮していたのだが、このツアーの企画段階ではこの列車には食堂車が連結されていたらしいのだが、その後に簡単なビュッフェのようなものに替えられてしまったらしい。狭いカウンターのような席が8席の簡易なスタイルになってしまっていて、14人のツアーでも2回に分けなければ食べられなくなってしまったのである。 料理の方もダウンしてしまったらしく、一応、前菜→スープ→メインというかたちで出てきたが、内容に関してはちょっといただけない感じのものだったと思う。 これは前菜(というか、サラダ)と水とロシアのビール。 食事中に、初めての下車可能な停車駅に着いた。オブルチエ駅である。停車時間は15分。食事を中断して外に出ることにする。ほかの皆さんも降りてくれたので、肩身の狭い思いをすることもなくありがたかった。 広軌の線路は、中に立ってみるとやはりずいぶん広いなと思った。
by krmtdir90
| 2015-08-19 22:45
| 海外の旅
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