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*読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。
夜中にちょっと目が覚めて、窓の外を見たら星がいっぱい見えた。肉眼で見える限りの星が見えていたのではないだろうか。そして、ちょうど窓枠に切り取られるようなかたちで、北斗七星の柄杓が見事に見えていたのである。あんまり見事すぎて、朝になると夢だったのではないかと疑わしい気分になってしまった。 朝7:00、列車はほぼ定刻通りエロフェイ・パーヴロヴィチ駅に到着した。添乗員作製の時刻表によれば、停車時間は21分とある。下車すると、朝の空気は冷たくて気持ちがよかった。空は晴れているが、全体に薄雲がかかっている感じである。 駅前という感じは全くなく、道路と言うより単に道と言った方がいい感じのものがつながっているだけで、車なども停まっていないようだった。駅舎正面にも小さな通用口といったドアがあるだけで、普通にイメージする駅舎の正面玄関とはずいぶん違っていると思った。 構内に戻り、煙草を吸ったりしながらあちこち歩き回った。線路内に立ち入ってもいいのだということが判ると、自由にアングルが決められるので何だか拍子抜けするところもあるのである。 車内での朝食は、ビュッフェで用意したものを、8時に添乗員やガイド、ウェイトレスなどが各コンパートメントに運んでくれるかたちになった。食堂車がなくなってしまったので苦肉の策だったのだろう。簡単なものだったが、暖かい卵焼きを持って来てくれたのはよかった。 食事には紅茶が付くのが基本らしく、レモンの輪切りとティーパックの入ったカップを置いていき、各車輌に付いているサモワールのお湯で各自飲んでくださいということだった。こちらでは紅茶もコーヒーも砂糖をたっぷり入れて甘くして飲むのが普通らしく、置いていくシュガーパックが10グラム入りなのには驚いた。ビュッフェの時には、ウェイトレスにさらにもう1本欲しいかと聞かれた(そういう素振りをされた)。 インスタントコーヒーのパックを渡されたこともあったが、これも最初からたっぷりの砂糖が入ってしまっているもので、申し訳ないがとても飲めたものではなかった。 煙草のことも書いておく。車内はすべて禁煙だったが、シベリア鉄道では乗降口のあるデッキでは吸えるという話しだった。ロシア人が実際に吸っているところを見れば安心だったが、そういうところには出会わなかったので、とりあえず行って吸ってみることにした。 1回目は吸っているあいだ誰にも出会わなかった。2回目の時、たまたま通りかかった男性の車掌に咎められた。いや、吸っていいはずだよと(弱々しく)抗弁してみたが、日本語とロシア語では通じるわけもなく、持参の携帯灰皿で火を消したら、ちょっとこっちへ来いと連結部分のドアを開けるのである。エッと思い、面倒なことは嫌だよと尻込みしていると、どうやらこの部分で吸えと言っているらしい。なんだ、そういうことなのかとホッとした。彼はニヤリと笑って行ってしまった。 で、3回目からはドアを開けて、そちらに煙を出すようにして吸うようにした。ただ、わたしは我慢ができないスモーカーではないから、車内で吸ったのはたぶん5回ぐらいだったと思う(停車して車外に出ても、撮影が忙しくて吸わない時もあったくらいである)。 次の下車可能停車駅はアマザル駅で、9時過ぎの到着だった。停車時間は18分。 下車すると、駅舎ははるか後方のようだった。 駅前。 次の下車可能停車駅はモゴチャ駅で、時刻表では11:04到着の予定だった。ところが、少し手前で2度ほど臨時停車があり、約20分遅れでの到着になった。ここまでずっと定時運行を守ってきたのだが、まあそういうこともあるということである。 停車時間は15分が予定されていたが、そういうわけで短縮されるかもしれないから注意してくださいと添乗員に言われた。ただ、ここまでで停車中の様子はかなり掴めていたから、ホームの様子を見ていればまず問題はないだろうと思った。 モゴチャ駅を出て5分後ぐらいに撮影した車窓の風景。モゴチャの町はずれといったところだろうか。 カナディアン号の時のような、思わず惹きつけられてしまうような景色がなかったということもある。比較するのもおかしなものだが、シベリア鉄道は建設以来、貨物輸送はもちろんだが旅客輸送の面でも一貫して幹線としての役割を担い続けており、電化複線ということからも判る通り、線路はよく整備され、駅のあるところにはそれを中心とした町が形成されているというようなこともあると思う。シベリア鉄道は決して未開の地を走っているわけではないのである。 人の手が入っていない区間も通るけれど、保線のためと思われる小屋は一定の間隔で必ず存在しているし、常に架線を吊った支柱が車窓を横切り続けるというのは、それだけで開けている土地を走っているような印象を受けてしまうのである。 カナダを横断した時のような、風景の劇的な変化といったものもここにはなく、ある意味単調と言っていい感じで、通過駅であってもそのたびに現れる町や村や集落の存在といったものが、まばらであっても人の営みを感じさせ、シベリア=未開といったこちらが勝手に作ったイメージを裏切ってしまうのである。別にイメージにこだわるつもりはないけれど、予想とは少し違っていたというのが正直な感想なのである(別の季節だったら違っていたかもしれない)。 こういう長い編成の列車が大きなカーブに差しかかる時、どうしても撮りたくなる写真というのがある。汚れたガラス越しでは無理なことは判っていたが、ちょっと思い立って、コンパートメントの前に倒した窓の隙間から何とか撮れないものかと挑戦してみた。カメラをかなり外に出さなければダメだから、上から腕を入れているかたちでは水平を確保するのは困難だった。斜めでもいいと決めて、8枚ほどシャッターを切った。 家に帰ってから、フォトショップで傾きを修正し(3回ほど繰り返した)、思い切って小さくトリミングして出来上がったのが次の写真。 もう一つ手に入れたテクニックがある。上から手を入れた状態で撮影する際、モニターを確認しようとするから無理が生じるのであって、モニターは見ないで適当に方向や角度だけ決めてシャッターを切れば、失敗もあるかもしれないが、案外うまく撮れるものも混じるのではないかと考えた。次の一枚はそうやって写したものである。 この日は陽射しのある時間帯もあったが、午後はだいたい曇りという感じになったので、車内は昨日のような暑さにはならず、おおむね快適に過ごすことができた。昼食時にビールを飲んだので、午後は少し昼寝などもしてしまい、途中に短時間停車駅も幾つかあったのだが飛ばしてしまった。別に無理をすることはないのである。 夕方にもう一つ下車可能な停車駅があるのだが、その前に短時間停車駅、ブシュレイ駅。 そして下車可能駅、チェルヌィシェフスク・ザバイカリスキー駅。今回乗車した区間で最も長い名前の駅である。 驚いたのは、時刻表にある通りの17:07、定時の到着だったことである。モゴチャ駅での20分遅れは走行中に完全に回復してしまったのである。さすがロシア、さすがシベリア鉄道である。 停車時間は30分。シベリア鉄道が時間というものに非常に厳格であることが判ってきたので、この時間は有効に使えそうである。 広い駅である。駅舎はかなり後ろの方のようだ。 駅舎をバックに記念写真を撮っている人もいる。 こちらからは外に出られそうもないので、ぶらぶら戻ることにする。駅舎の中もちょっと覗いてみたが、係員にロシア語で声をかけられずに通り抜ける自信はなかったので断念した。 駅舎の右手にこんなところがあった。喫煙スペースのような気がする。 煙草を吸いながら見ていると、道路を隔てたこの家は何かのお店のような感じで、人が出たり入ったりしている。 喫煙スペースの右に売店が並び、 行ってみると外に出られた。正面に物売りの女性たちが5人も待っていた。 で、これが駅前の道。 再び構内に戻り、今度は気になっていた跨線橋へ。 急いで上から見た駅前の様子を写して下に降りた。 新しく付けられた電気機関車を見に行く。青い塗装のかっこいい機関車である。 17:37、列車は定刻にチェルヌィシェフスク・ザバイカリスキー駅を発車した。というところで(写真の枚数も増えてしまったので)この回は終わりということにする。
by krmtdir90
| 2015-08-21 23:26
| 海外の旅
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