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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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北海道新幹線と引き換えになったもの

 きょう(3月26日)、北海道新幹線が新函館北斗駅まで開業したというので、新聞やテレビのニュースなどが頻繁に取り上げている。JR北海道は文字通り新幹線開業一色になっているが、この日から実施されたダイヤ改正で、それと引き換えに在来線の普通列車などが大幅に削減されたことは、あまり積極的にアナウンスされてはいないようだ。
 たとえば、札沼線の浦臼・新十津川間は、これまでも上下各3本しか運行されない閑散区間だったが、とうとう上下各1本と限界まで削減されてしまった。浦臼09:06→09:28新十津川09:40→10:01浦臼。これだけで一日の運行が終了となってしまった。新聞によれば(毎日新聞・昨日の朝刊)、JR北海道全体で普通列車約15%(79本)の削減が行われたという。宗谷本線では、幌延・稚内間で下りが5本から3本に、上りが5本から4本に減らされてしまった。
 とりあえず、ここしばらくはお祭り騒ぎが続くのかもしれないが、本当に新幹線を北海道まで延伸させることが良かったのかどうかも含めて、少し立ち止まって考えてみる必要があるような気がする。

 一つは、保有する在来線の大部分が赤字路線で、毎年約400億円の営業赤字を計上しているJR北海道という会社の、経営基盤の極端な脆弱さをどう考えるかという問題がある。国からの経営安定基金を始めとして、様々な政策的支援によって辛うじて存続させられている会社が、この上新幹線を支え切るだけの体力があるのかどうかという問題である。
 ここ数年に連続した事故や不祥事から明らかなように、すでにギリギリまで経営合理化を推し進めてしまった弊害が、安全面に対する不安として露呈したまま、解決したとはとても言えない状況なのである。そこに、さらに高い安全への配慮が求められる新幹線開業が加われば、在来線に掛けることのできる要員や予算を減らしていくしかないのは明らかなのではないだろうか。今回のダイヤ改正で行われた普通列車の削減は、その第一歩と考えるしかないように思う。

 これはほんの始まりに過ぎないことを忘れる訳にはいかない。歪んだ経営基盤が根本的に是正されない限り、JR北海道が最終的に行き着く先は、札幌までの新幹線と札幌近郊の僅かな黒字路線のみを残し、それ以外の鉄道路線はすべて失われた北海道の姿になりはしないかと危惧するのである。
 2016年度中に廃線にする方向で調整中の留萌本線、留萌・増毛間は、今回のダイヤ改正では運行本数の削減は行われなかった。どうせ廃線にするのだから、無理に手をつけることはないということだったのだろうと推測(邪推?)してしまう。また、2015年1~9月に発生した土砂流失などで不通になった日高本線、鵡川・様似間は、依然としてバス代行輸送を継続するばかりで、JR北海道はすでに自力復旧を断念しているとも伝えられている。

 今回の開業に併せて、並行在来線の江差線、木古内・五稜郭間は、きょうから道南いさりび鉄道株式会社という第三セクターに経営移管された。同時に運賃の値上げも行われたはずだが、果たしてこの先経営が成り立っていくかどうか、予断は許さないだろうと思う。
 新幹線が札幌まで到達するのはまだ十年以上先だが、その時には並行する函館本線の長万部・小樽間は、第三セクターでの存続も難しい区間のように思えてしまう。今回のダイヤ改正でこの区間の普通列車は、下りが7本、上りが5本から、いずれも4本まで削減されているのである。
 結局、運行本数の削減は廃線に向けた地ならしにしかなり得ないのではないだろうか。沿線住民にも観光客にもきわめて利用しにくい(利用のしようがない)ダイヤを作り、まるでアリバイ作りのように普通列車を走らせるというのは、そこに何一つ生産的な意味合いを見出すことができないと思う。早さを競うだけが至上価値となってしまったJRグループにとって、最悪の赤字を垂れ流すJR北海道が生き残る道は、どんどん閉ざされていくしかないのである。

 今回のダイヤ改正ではもう一つ、利用実態のほとんどない8つの駅が廃止されてしまった。周囲の人家が全く失われてしまった状況下では、駅の廃止というのは時の流れとして仕方がないのは理解できるが、実際になくなってしまうというのはやはり寂しいとしか言いようがない気がする。この中には、去年の夏に車で回った石北本線の上白滝・旧白滝・下白滝の3駅も含まれていた。JR北海道自身が、これは手始めで該当する駅はまだ他にもあるとコメントしているらしい。
 だが、どうせ開業したとしてもほとんどがトンネルになってしまう新幹線と違って、北海道の在来線が持っている様々な鉄道施設、他では考えられない風景のスケールや秘境感といったものは、失われるに任せてしまうにはあまりに惜しいものばかりではないだろうか。

 いま改めて考えるべきなのは、JR東海が飯田線で飯田線秘境駅号を臨時運行したり、JR九州がいさぶろう・しんぺいで肥薩線の木造駅舎やスイッチバックを生かしているように、秘境駅や木造駅舎は素晴らしい可能性を秘めた観光資源なのだということである。そういうものについて考えていく余力が、JR北海道単独では見出せないのが残念なのである。
 今さら言っても詮ないことかもしれないが、どうやったところで所要時間では航空機に負けるしかない新幹線ではなく、本当は青函トンネルには在来線列車を残し、JR東日本とJR北海道が共同して多様な列車を走らせることが最良のかたちだった気がしてしまう。新幹線と引き替えにしてしまった道南いさりび鉄道も、東北のIGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道も、JRの在来線として残して置けば、ずいぶんいろんな可能性が広がったのではないかと思うのである。

 削減したり廃止したりするところからは、何一つ創造的な未来は考えられなくなってしまう。赤字路線であることは厳然たる事実だとしても、経済の論理だけですべてを決着させてしまったら、後にいったい何が残ると言うのだろう。この新幹線のためにすでに、われわれは夜行列車で北海道に行くという素晴らしい選択肢を失ってしまったのである。鉄道にはいろいろな選択肢を残すべきだし、そういうところに国は思い切った予算を使うべきなのではないだろうか。
 北海道新幹線のバカ騒ぎの陰で、JR北海道という鉄道会社の矛盾や問題点が湖塗され、より深みに嵌っていこうとしていることを見過ごすことはできない。どういう経緯か知らないが、秘境駅ランキング第1位の小幌駅(室蘭本線)を始め、多くの魅力的な駅の廃止が今回は見送られたところに、JR北海道に残っているかもしれないほんの僅かな希望を見出したいと思っている。新幹線を今さらやめろと言っても無理ならば、新幹線建設と同時にいまある在来線を活用していく方向を、JRグループとしてきちんと打ち出さなければならない時が来ているのではないか。鉄道会社としてのそういう矜恃を、心から期待するものである。
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by krmtdir90 | 2016-03-26 22:41 | 鉄道の旅 | Comments(4)
Commented by Mh at 2016-03-28 01:09 x
北海道ではないですが、僕は岩泉線に乗りたかったです。「ほんとに乗って行っても大丈夫かな」みたいなドキドキ感がありそうな気がしました。
何かそういうコトづくりをしてでも、人を呼ばないと、地方鉄道は存続できないでしょう。
Commented by natsu at 2016-03-29 11:18 x
ほとんど観光資源などないような地方の弱小(第三セクター)鉄道会社が、駅舎を登録有形文化財にしたり、ネコやウサギを駅長にしてみたり、とにかく涙ぐましい経営努力で様々な話題作りをしているのに、JR北海道がそういうことを何一つ(あえてこういう言い方をする)やらないままに、運行本数削減→廃線切り捨てに向かっているのは納得できないということです。
新幹線などというものを抱え込んでしまったために、そういう余力がなくなっているのも理解できるのだけれど、北海道の鉄道路線の周辺には生かされていない宝の山がいっぱい転がっていると思うのです。
そういうものを発掘して人を呼ぶ努力を全くしないまま、現在の方向に流されて行くのはあまりに惜しいし、残念な気がしてならないのです。

岩泉線も乗りたかったよね。山田線の宮古・釜石間も、もう5年が経つのにどうなることやら。
Commented by 通りすがり at 2018-07-03 06:57 x
> この中には、去年の夏に車で回った石北本線の上白滝・旧白滝・下白滝の3駅も含まれていた。
あなたが列車で回る事を断念した(考えすらしなかった?)ような駅は廃止されても仕方ありません。
Commented by krmtdir90 at 2018-07-03 20:32
これらの駅は、廃止前の時刻表を見ればすぐ判ることですが、鉄道で訪れて下車するのは無理な駅でした(一日一本しか列車が停まらない駅もあったのはご存じですよね)。石北本線は何度も乗りに行っていますが、降りられないのが残念で、車で訪問することにしたのです。通りすがりの方ではそのあたりの経緯が判らなかったのかもしれませんが、あまり決めつけるようなコメントは残さない方がいいと思いますよ。
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