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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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映画「バーフバリ」2部作「伝説誕生」「王の凱旋」

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 「バーフバリ/王の凱旋」というインド映画が主に若い世代を中心に支持されているらしいのを知り、ちょっと観てみようという気になった。だが、調べてみると、これは2部作として作られたものの後編であることが判った。もちろん後編にもあらすじなどの紹介はあるだろうが、どうせ観るなら前編からちゃんと観た方がいいと思った。あちこち当たってみると、キネカ大森というところで前編をやっているのが見つかった。しかも、特別上映だから料金は1000円均一だという。シニアは1100円だから料金のことは関係ないが、普段は行かない映画館というのが何となく面白そうで、少し早起きをして大森まで小さな旅を楽しんできた。
 スマホで検索して、立川から南武線で川崎に出るというルートを取った。南武線を乗り通すというのは、たぶん初めてだったのではないかと思う。駅間距離が総じて短い路線のようで、これまで縁のなかった駅を次々たどっていくのが楽しかった。
 で、10時25分から前編にあたる「バーフバリ/伝説誕生」を観たのだが、この映画館では15分のインターバルの後、後編の「バーフバリ/王の凱旋」の上映もあることを行ってから知った(もちろん普通の別料金だったが)。後編は日を改めて新宿あたりで観ようと考えていたのだが、続けて観られるなら観てしまった方がいいのではないかという気分になった。一旦外に出て(映画館は西友の5階にあった)、近くのコンビニでサンドウィッチと缶コーヒーを仕入れ、座席で慌ただしく昼食にした。最初から昼食を用意して、続けて観る計画の人も館内にはけっこういたようだった。
 上映時間は「伝説誕生」が138分、「王の凱旋」が141分と割と長めで、遠くまで旅して来ていることもあって帰りはさすがに疲れたが、やはり続けて一気に観てしまったのは非常に良かったと思った。

 わたしは昔、映画ファンだった頃から、スペクタクル超大作というのにはまったく興味がなく、「十戒」とか「ベン・ハー」「クレオパトラ」といった有名なものも(たぶん)観ていないと思う。当時は映画がまだアナログだった時代で、膨大な物量と製作費をかけて(ハリウッドで)作られたこれらの映画は、1万人の群衆シーンを撮るためには1万人のエキストラを集めなければならない時代だった。当然、製作費を大幅に超える儲けを出すことが必要になるわけで、そこに興行成績至上の何となく不純な動機を感じ取っていたのかもしれない。
 現代では映画製作はデジタルとなり、コンピューター上のCGやVFXでほとんどのシーンが製作可能になっている。この「バーフバリ」がどれほどの製作費をかけ、どれほどの興行成績を目指したものなのかは知らないが、とりあえずそういうことよりもわたしには、現代の最新鋭の技術が最大限活用されたこの映画で、現代のスペクタクル超大作がどれほどのところに到達しているのかということを、目の当たりに確認したいという興味が大きかったように思う。
 インドは、年間製作本数、映画館数、観客動員数などでいずれも世界一となる映画大国だが、落ち目のハリウッドではなくインド(通称ボリウッド)でこの超大作が作られたというのが面白いことだと思った。チラシには「世界興収300億円突破」などと書いてあるが、昔から「映画史上最大の」という謳い文句には冷ややかだったわたしが、まあ歳を取ったこともあるのだろう、この映画ではその「史上最大」を大いに楽しませてもらうことになった。

 わたしはまったく不勉強なのだが、この映画はインドの有名な叙事詩「マハーバーラタ」の物語を下敷きとしていたらしい。簡単に言えば、遠い昔のインドの架空の王国を舞台にした、親子三代にわたる王位継承争いを軸に展開する物語である。まさに波瀾万丈の物語だが、もちろんそのストーリー展開や内容の善し悪しなどを細かく云々するような映画ではない。だから、今回はその「史上最大」の描き方とか俳優のことなど、映画としては周辺に属することを中心に印象や感想を書いていこうと思う。

 まずは最新鋭の技術を駆使した画面作りだが、ここまでやるのかという圧倒的なシーンの連続に驚かされた。眼が離せなかった。恐らくいまの若い人たちは、コンピューターゲームなどでこの手の画面作りには慣れているだろうが、それでもこのド派手なスケールにはさすがに脱帽したということなのかもしれない。カメラのアングルや動きなどに一切の制約がないというのが、アナログで育ったわたしなどにはまずもって驚くべきことで、これらコンピューター処理で何でもできるようになったことの反映だとしても、現代の映画は凄いところまで来たのだなと認識を新たにした。
 何万?という軍隊が対峙する王国同士の戦闘シーンや、手を変え品を変え繰り返される主人公たちの身体を張った争いのシーンなど、現代ではこういう画面作りになるのだと自然に理解されたが、何と言えばいいのか、その目まぐるしさと言ったらとても尋常のものではないと思った。
 「伝説誕生」の最初のあたりで、主人公が巨大な滝(大瀑布)をよじ登っていくところなど、高所恐怖症のわたしは見ているだけで恐怖感いっぱいになり、お尻のあたりがムズムズし続けて参った。現実にはこんなことあるわけないじゃないかという画面作りなのだが、技術を駆使した臨場感は並のものではなく、観客をハラハラドキドキさせるツボが押さえられているから、エンターテインメントはこうでなければならないのだと納得するしかなかった。
 一方でこの監督(S.S.ラージャマウリ)は、人物をきちんと描くべきところもしっかり押さえて描いているので、そのあたりのバランスが非常に良く、観客が映画の中にスッと入り込めて、物語の対立構造(そんなに大層なものではないが)などを受け止めやすいものになっていると思った。

 ボリウッド映画の特徴である歌と踊りなどもちゃんと入っていて、恋のシーンではじっくり見せながらあくまで美しく、スケールやアイディアで見せるところは斬新なカットを重ねて、それぞれ上手に決まっていて見事だった。整列した象まで動きの中に取り入れてしまったり、空に浮かんだ帆船の甲板上で展開する群舞など、次から次へと繰り出される奇想天外な見せ場が実に楽しかった。すべてが作りものなのは判っているのだが、これだけ楽しませてくれるのならそれでいいではないかという気分になった。技術の勝利である。
 物語としては古代史劇のような色合いが強いのだが、そこにファンタジー的な空想要素も色濃く混ぜ込んだ感じで、架空の英雄譚・冒険譚としては非常に良くできた物語だと感じた。「伝説誕生」の主人公シヴドゥのたどる数奇な運命ということなのだが、滝(大瀑布)の上に広がる世界で、マヒシュマティ王国の圧政に対する抵抗勢力の女戦士アヴァンティカと出会い、王宮に25年間幽閉された王妃デーヴァセーナの救出に向かうというのが前半の展開。
 見事救出に成功したシヴドゥの前に、王国に忠誠を誓う奴隷にして最強の戦士カッタッパが現れ、シヴドゥがマヒシュマティ王国の王子マヘンドラ・バーフバリであることを告げ、彼の父であるアマレンドラ・バーフバリの生涯を語り始めるのである。このあと映画は「伝説誕生」の後半から「王の凱旋」の中盤にまたがって、マヒシュマティ王国の50年にわたる歴史と王位継承争いなどを描き出していく。継承争いに敗れたアマレンドラ・バーフバリは非業の死を遂げ、まだ赤ん坊だった王子は国母シヴァガミの犠牲によって救い出され、滝(大瀑布)の下の村で拾われ、村長の子どもとして育てられることになるのである。

 こうして物語は「伝説誕生」の冒頭部につながり、すべてを知ったシヴドゥは、「王の凱旋」の終盤では王子マヘンドラ・バーフバリとして抵抗勢力の先頭に立ち、女戦士アヴァンティカらとともに父の仇である現国王バラーラデーヴァとの最後の戦いに挑んでいく。
 映画がどういうふうに進んで行くか、観ているとストーリー展開の先がほとんど読めてしまうのだが、それは観ている者がこうあってほしいと望んでいる展開なのだ。その期待に完璧に応えてくれる爽快感はなかなかのものである。最後のバーフバリとバラーラデーヴァの対決などは、バーフバリが勝つことは見えているのだが、とにかく一進一退組んずほぐれつの戦いを延々と見せて飽きさせない。お互いこんなにやったら身体なんかボロボロになってしまうだろうと思うのだが、そんなことはまったくお構いなし、先が見えている決着だからこその猛烈なサーヴィスなのである。
 この2人を演じたプラバース(シヴドゥ、バーフバリ・父と王子の二役)とラーナー・ダッグバーティ(バラーラデーヴァ)という役者は筋骨隆々、目を見張るばかりのマッチョなのだが、これだけの肉体がこの神話的世界を実現するためには必要ということなのだろう。一方、ヒロインとなるデーヴァセーナのアヌシュカ・シェッティ、アヴァンティカのタマンナーといった女優は、アクションシーンも立派にこなせる男勝りの一面も見せながら、大人の色気もしっかり漂わせているところが魅力的だった。男も女も、日本映画のアイドルっぽいひ弱さではとても太刀打ちできない存在感で、映画スターとしての自信に満ちた風格を感じさせていたと思う。カッタッパのサティヤラージ、シヴァガミのラムヤ・クリシュナといったベテラン俳優も、非常に重要な役回りをしっかり演じて脇を固めていたと思う。ボリウッドの成熟を感じさせる映画だった。
(キネカ大森、2月19日)
by krmtdir90 | 2018-02-21 13:53 | 本と映画 | Comments(0)
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