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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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「泥濘(ぬかるみ)」(黒川博行)

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 黒川博行が新作を書いたというので、早速買って来てしまった。読み始めた時間が遅かったから、翌日の午後に読み終わった。
 疫病神シリーズはこれが第7弾になるらしい。すっかり嵌まってしまったが、常に期待を裏切らない安定感は大したものである。このシリーズのいいところは、いつも登場してくる主要人物の設定が実に面白く出来ていて、新作でまた彼らに会えるというのが楽しみになってしまうのである。ここまで続くと書く方は大変かもしれないが、黒川博行には新しいものに色気を出したりせず、ずっとこのシリーズを書き続けてもらいたいと思っている。

 確かに、書いていれば毎回何らかの新機軸を入れなければならないから、そこのところは苦労しているのだろうと思う。最近では桑原の破門というのが大きな鍵になり、それが2作続いて解決したあとの新作である。
 今回は帯の惹句にもある通り、桑原が撃たれて一時心肺停止になるというのがヤマになっている。これまでも桑原はけっこうあれこれやられていたが、心肺停止というのはギリギリのところまで行ってしまった感じである。もちろん助かることは判っているのだが、書く方としては、もうこの線で先に行くことはできなくなってしまったということである。今回二宮は捻挫で済んでいるが、堅気の彼をこの先に行かせるのはシリーズとしては禁じ手になってしまうし、次を考えるのは大変だろうななどと思いながら、早くも次を待つ気分になってしまうのである。

 シリーズとして読み継いでいると、主要人物(の書き方)に微妙な変化が生じてきているように感じるところもある。
 二宮にとって桑原は疫病神という位置づけが始まりだったが、二宮の側の巻き込まれ感は次第に薄まってきており、最近では二人はすっかり「いいコンビ」になってしまったように見える。口では相変わらずお互いをボロクソに言っているが、今回は最後に悠紀の口から「啓ちゃんと桑原は友だちやんか」とか「どこまで行っても桑原と縁が切れへんねん」などと言わせたりしている。桑原が死に直面したことで、二宮の気持ちが見えてきたところもあったように思う。
 二宮については、父親が二蝶会の元幹部だった関係で、現二蝶会組長の嶋田に可愛がられているということが、けっこう大きなファクターになってきているような気がする。
 桑原が塀の中にいた時に読書の楽しさに目覚め、凶暴なヤクザのくせにけっこうな読書家であるなどという側面も、最近かなり強調されてきたことだと思う。

 単行本は税込み1944円だったが、映画の1100円(+交通費・プログラム代)と比べると安いものだと思う。もっとも、どちらにも当たり外れはあるわけで、当たりを探す手間を考えると、読書より映画の方が楽かななどと考えてしまう今日この頃である。
by krmtdir90 | 2018-07-13 08:00 | 本と映画 | Comments(0)
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