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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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「日本が売られる」(堤未果)

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 日本という国に生まれ育ち、この歳になるまで安穏に暮らしてこられたことを考えると、この国はいろいろと気に入らないこともあるけれど、やはり素晴らしい国だったんだなと思うようになった。海外に出掛けるようになって、日本よりはるかに過酷な場所で生活する人々の姿を見たりすると、日本に生まれたのはまったくの偶然に過ぎなかったのだけれど、非常に幸運なことだったのだなと自然に納得させられるのである。
 ところが最近になって、何だか安心していられない状況が次々に生まれつつあるようなのだ。この数年ほどの間に、まったく信じ難いことなのだが、この素晴らしい日本の国のかたちを根底から覆してしまうような、きわめて重大な方向転換が次々と行われているらしい。いろいろなことが、ほとんどの国民にとって何の利益にもならない方向に向かって、どんどん作り替えられているらしいのだ。どうしてそんなことが起こっているのか。

 日本という国の良さが、いとも簡単に捨て去られようとしている。そんなおかしなことは起こるはずがないと思い込んでいた、それがいま国民が知らないうちにどんどん起こっているのだという。国民が知らないうちに、つまり国民に気付かれないようにして、この国のかたちを自分たちに都合のいいように作り替えてしまおうとしている人々がいるのだ。それがいまの政府与党であり、彼らはこの国を自分たちの金儲けに都合のいいかたちに変えてしまおうとしているのだ。
 この本は、いま国民が気付かないでいると取り返しのつかないことになってしまうという、きわめて重大で深刻な事態をまさに現在進行形の具体的事実として列挙している。それは、この日本の素晴らしさを構成していた様々なものを切り刻み、売りに出そうとしているということなのである。まえがきにおいて、筆者はこのことを端的に断じている。
 それは「国民の生活の基礎を解体し」、本来は国や自治体が担うべき「国民の命や安全や暮らしに関わるモノやサービスを安定供給する責任」を放棄して、市場を開放し投機の対象として、外国人を含む企業の前に「ビジネスとして差し出すこと」なのだ。農業、漁業、林業といった基幹産業において、民間活力を入れることで成長産業化するのだという、まったく根拠のない目くらましのかけ声の下で、すでに政府与党と結びついたグローバル企業の参入が着実に進んでいるらしい。企業が金儲けしやすい国にするのが、いまの政府の至上命題なのだ。

 これが、先日閉会した国会などで日々進められていたことである。こうした問題に対するマスコミの反応はきわめて鈍く、どういうことが起ころうとしているのかをきちんと問題提起する報道はほとんど見られなかったようだ(見られなかったというのは言い過ぎかもしれないが、提起はいつも単発的でささやかなものだったような気がする)。
 さすがに国会終盤には、出入国管理法改正案について徐々に問題点が明らかにされてきたが、問題点を隠しておきたい政府与党は、野党の追及を無視して時間をかけずに強行採決してしまった。この法案は、日本がこれから移民をどう受け入れていくのかという大問題に関わるもので、当然しっかりとした検討と制度設計が必要だったはずである。だが、政府与党には最低賃金以下で働かせることができる安い労働力が欲しいという財界からの要求に応えようとする視点しかなく、付随する様々な問題については蓋をしたまま押し切る姿勢しか見えなかったのである。
 結局、国会で彼らに多数を与えてしまったことが誤りだったのだと思う。彼らはみずからの金儲けのためなら、素晴らしい日本の国を切り売りすることなど何とも思っていないのだ。そのことに、そろそろ気付かないとまったく手遅れになってしまうのではないかという危惧を感じる。わたしはあと少しでこの世からいなくなるはずだからいいが、これからもまだ日本の国で生きていく人たちは、ホントにこの本でも読んで少し勉強した方がいいのではないだろうか。

 移民の問題一つをとってもきわめて重大と言うしかないが、問題なのはそれに匹敵するような、日本人としてあるのが当たり前と思ってきた生活上の安寧が脅かされる様々な法案が、ほとんど問題になることもなく次々に成立しているという事実である。
 この国会で成立してしまった水道法改正案もその一つである。水道が金儲けの手段となる恐ろしさについて、もう少し深刻にならなければおかしいのではないか。水道事業が民営化されビジネスの対象となった時、その安全性や公共性は本当に守られるのかどうかという問題である。こうしたことを推進しようとしている側は、それで利益を上げようと目論んでいるのだから、様々な疑問や問題点の指摘があってもまともに取り合う気はないし、大丈夫と繰り返すだけなのである。
 災害で大規模な断水などが発生した時、民間企業となった水道がどこまで対応できるのかは疑わしいと言うしかないだろう。世界的には、民営化が失敗して再度公営に戻す国が続出しているのが現状なのであり、もし今後そうなった時には、すでに金儲けを終えた企業は責任を取らずに逃走するのが目に見えているである。
 そのほかにも、種子法の廃止とか漁業法の改正とか、無関心でいたらとんでもないことになりかねない事態が、いまの政府与党の下でどんどん進行しているのだ。この本は、いま多くの日本人が読んで勉強しなければならない本だと思う。
by krmtdir90 | 2018-12-14 23:59 | 本と映画 | Comments(0)
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