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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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映画「遊星からの物体X」

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 デジタルリマスター版が作られたのがきっかけとなって、今年リバイバル公開された映画である。1982年のアメリカ映画(ジョン・カーペンター監督)だが、当時の評価はそれほど高いものではなかったと記憶している。そもそもが1951年のハワード・ホークス監督による「遊星よりの物体X」のリメイクであり、設定などはオリジナル版を踏襲しながら、クリーチャーの造形などに当時の映画界の流行が反映されていたようだ。
 この種の気色悪い地球外生物は、恐らく「エイリアン」(リドリー・スコット監督、1979年)あたりが始まりだったのではないかと思われるが、先行作が思い浮かんでしまうというのは、この映画にとってはたぶん不幸なことだったのだろうと推測される。けっこうとことんやってくれていたと思うが、これでもかとやればやるほど結局「おーっ、やっとるな」といった感じになってしまって、二番煎じと受け止められてしまう宿命だったということかもしれない。
 こういうヌルヌルした感じのクリーチャーが、怖くて面白い?という人がどのくらいいるのだろうか。わたしはこういうのは苦手である。苦手なら見なければいいのだが、もともとSFが好きだったものだから、こういうのが出てくると判っていてもつい見に行ってしまうということなのだ。分類上はSFという括りになっているようだが、どちらかと言えばホラー映画と考えた方がいいような気がする。また、見方を変えると、ミステリー的要素を含んだスリラー映画という側面もあって、設定や展開が非常に上手くできているのは確かなことだったと思う。

 外界と隔絶した南極の観測基地というのが一種の密室となっていて、そこが恐ろしい地球外生物の襲撃に晒されるというのが基本設定になっている。正体を現すと非常にグロテスクな姿をした「それ(The Thing)」は、襲った生物をみずからの体内に取り込んでしまい、その外見に同化・擬態して増殖していくという特徴を持っていた。最初は犬の姿をして基地に現れたのだが、次には隊員たちにも食指を伸ばすことになり、そうなると「それ」に襲われて取り込まれてしまった隊員と、そうでない隊員との見分けがつかなくなってしまうという厄介な事態になってしまい、基地の中は急激に疑心暗鬼のパニック状態に陥っていくことになる。
 誰がやられていて誰がやられていないのかが判らない、お互いに誰を信じていいのか判らないという状態は非常な消耗を強いるものであって、どんどん追い込まれていく隊員たちを、映画は恐ろしいスリルとサスペンスで描き出していく。「それ」の気持ち悪いイメージもなかなかのものだが、この人間の気持ちが泥沼に嵌まって抜けられなくなっていく感じもかなり怖い。
 そして、最後には基地のほとんどすべてが破壊されてしまうのだが、そんな段階になっても果たして「それ」は根絶やしにされたのかどうかは判らないのである。最後に生き残った二人も、結局同化してしまったのか、それともまだ人間のままなのかがはっきりしないまま投げ出されていて、しかもこの極寒の中ではどうあがいても生き延びることはできないだろうと思われるようになっている。解決とは程遠い、何ともすっきりしないエンディングなのである。

 この地球外生物は何万年も前に宇宙船で地球に飛来し、不時着した南極の氷の下でずっと冷凍されて生き延びたと設定されている。息を吹き返してこのまま外の世界に出て行けば、人類すべてが侵略され同化されてしまうのは時間の問題だと映画の中でも予測されていた。カーペンター監督は恐らく、もうすでにそうなってしまっている可能性もあるという終わり方にしたかったということなのだろう。最後で様々な解釈が可能になっていることが、この映画がいつの間にかファンの間でカルト的な人気を獲得した理由になっていると思われる。
 まあ、安易に退治成功のエンディングにしなかったところは好感が持てると思う。ただし、冬季はほとんど明るくなることがない南極の気象条件が無視されているとか、クリーチャーの襲撃から身を守りたいなら隊員は全員が固まって行動すればいいのにとか、いろいろ考えれば変なところもけっこうあると思うのだけれど、こういう映画でそれを言い募るのは野暮になってしまうということで、このくらいにしておく。
(新宿ピカデリー、12月13日)
by krmtdir90 | 2018-12-16 20:35 | 本と映画 | Comments(0)
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