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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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映画「マイ・サンシャイン」

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 何をしたい映画だったのか、よく判らなかった。監督・脚本はデニズ・ガムゼ・エルギュヴェンというトルコ出身の女性で、ずっとフランスで育ち、フランスを主な拠点として活動している人のようだった。この映画は彼女の長編第2作だったらしく、フランス・ベルギー・アメリカの合作映画となっているが、言語は英語で、アメリカのロサンゼルスでロケを行い、1992年4月末に起こったロサンゼルス暴動を扱おうとしたものだった。
 「扱おうとした」などと遠回しな言い方をしてしまったが、この過去の出来事をいま改めて描こうとするにあたって、どうもこの映画のいまの視点がどこにあるのかがはっきりしていないように感じたのである。
 実際、ロサンゼルス暴動の引き金の一つとなったラターシャ・ハーリンズ射殺事件は、映画冒頭に再現映像でしっかりと描かれているし、もう一つのきっかけとされるロドニー・キング事件とその裁判の様子は、映画の各所でテレビから流れるニュース映像として、繰り返し印象付けられるようになっていた。だが、基本的にそれらは映画のストーリーの背景なのであって、映画はちょうどこの時期にロサンゼルスのサウスセントラル地区で生活していた、主人公たちの日常を追って行くことに主眼が置かれているのである。

 主人公の黒人女性ミリー(ハル・ベリー)は、貧しいこの地区で家族と暮らせない子どもたちの母親代わりとなって、彼ら(7、8人いる)に無償の愛情を注いでいるということらしい。これは血のつながりのない疑似家族であって、この子どもたちはスーパーで万引きをしたりしているから、これはあの「万引き家族」と非常によく似た設定なのである。
 ただし、細かな設定やその描き方などでは是枝裕和監督の足下にも及ばない感じで、はっきりしないところや展開に無理があるところなどが目立つ結果となっている。ミリーと子どもたちにいつも厳しいことを言っている白人の隣人オビー(ダニエル・クレイグ)の設定も曖昧で、ミリーとの関係も、何かお互いを男女として意識するような気配も見せるのだが、結局はよく判らないまま最後まで行ってしまうということになっているのである。
 映画は要するに、このミリーとオビーと子どもたちが、映画の後半になってロサンゼルス暴動の始まりのところに立ち会う様子を描いていく。だが、それが彼らにどんなふうに受け止められたのかといったことが、当然のことながら一人一人の立ち位置やいた場所が違うのだから、まったくバラバラなものになってしまっていて、ストーリーとしてあまり噛み合ってもいないし収斂してもいないように感じられたのである。

 一言で言えば、みんながそれぞれのかたちで暴動に巻き込まれたことは判るのだが、それが彼らのこれまでの生活をどう変えてしまったのかは、実はあまりはっきりしないまま終わってしまった印象があるのだった。ロサンゼルス暴動というものが、子どもたちを含めた登場人物の生き方の問題としてきちんと関連付けられていないという気がしたのである。それでは、いま改めてそれを描こうとする意義が見えないということになりはしないか。
 見ている間は、けっこうハラハラする展開に引き摺られていたのだが、見終わってみると「えっ、どうなっちゃったの?」ということがたくさん残されていたように思う。特に子どもたちの間で起こった殺人については、結果が事実として投げ出されているだけで、映画がこれをどういうふうに捉えようとしているのかが見えていないと感じた。これでは困るのではないか。
 原題の「Kings」が何を意味しているのかもはっきりしないが、邦題の「マイ・サンシャイン」も何のことなのかよく判らない。映画自体が焦点が絞れていないので、配給会社もどう売っていいか決めかねたということだったのかもしれない。
(新宿武蔵野館、12月20日)
by krmtdir90 | 2018-12-21 17:32 | 本と映画 | Comments(0)
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