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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
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北海道の旅⑦留萌本線(2013.5.23)

 *読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。

 深川駅前の朝の様子。
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 細かい雨が降っている。予報では、きょうは一日、降ったり止んだりの不安定な天気ということだった。まあ、仕方がない。
 ただ、負け惜しみで言うわけではないが、留萌本線に行こうと決めた時から、この線には青空は似合わないという印象が何となくあった。本当は、雪が降りしきる冬の厳しい寒さの時が一番いいのだろうが、そういう時に来るのは相当の覚悟がいる。だから、きょうのような暗い雲が垂れこめた雨模様の日というのも、案外悪くないという感じがあったのは事実である。

 深川駅8:05発、留萌行きのキハ54形。当然のごとく、単行。
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 留萌本線は初めて乗る路線だが、今回、この往復では、途中駅をすべて写真に収めようと決めていた。大きな駅は留萌と石狩沼田ぐらいで、あとは小さな、面白そうな駅がいろいろありそうなのだ。
 また、人里離れた奥深い山中や原野を行くわけでもなく、峠越えの一部区間を除けば、比較的人の住んでいるところを辿っているのである。それもある意味、興味深いところだった。

 乗客は、10人ぐらいだろうか。この車両は中央がすべて前向きのセミクロスシートで、その部分が何となく埋まっている。わたしは、後部のロングシート部分に座った。雨滴で窓が曇っているから、停車したら窓を開けないと写真は撮れない。他の客はみんな前向きに座っているし、後ろの方で静かにやれば、そんなに気にはならないはずだ。
 あと、この列車は途中、あの秘境駅ランキングに入っている二駅を通過してしまうのだが、それは帰りの列車で狙うことにする。

 ということで、最初の北一已(きたいちやん)駅。8:09発。
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 次は、秩父別(ちっぷべつ)駅。8:15発。
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 次の北秩父別駅を通過して、石狩沼田の手前で雨竜川橋梁を渡る。雨竜川は石狩川の支流である。(この写真は、人のいない後部運転席の横で、あくまで静かに後ろを狙って撮っている。)
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 石狩沼田駅。現在、札幌から新十津川までを結んでいる札沼(さっしょう)線は、かつてこの駅まで延びていたのだ。だから札沼線だったのだが、この区間が廃止になって、実際と違う線名になってしまった。
 降りてみたい駅だが、停車時間は全くない。8:20発。
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 列車は、次の真布(まっぷ)駅を通過。

 恵比島(えびしま)駅。ここは、1999年放送のNHK・朝の連続テレビ小説「すずらん」の舞台となり、その際建てられた架空の駅「明日萌(あしもい)」のセットが残されていることで有名。
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 これは、実はセットの駅舎だ。
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 左側の、これがホントの恵比島駅舎。もともと、廃貨車利用のダルマ駅舎だったものを、外面に古びた板張りをして、セットとのバランスを取ったもののようだ。
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 実は、行きのこの時には気付かなかったのだが、帰りに、反対の左の方から明日萌駅に近付いてきた時、駅舎の窓の中に、赤いマフラーをした女の子が座って、列車の方を見ているのに気が付いた。帰りはもう写真撮影は一休みという気分でいたから、何の準備もなく、あわてて撮ろうとしたが間に合わなかった。
 行きに撮った上の写真を拡大してみたら、確かにいる。顔を向こうに向けているから、向こうから入ってくる列車の方が気付きやすいのだろう。
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 わたしはこのテレビを見たことがないし、どんな物語なのかも全く知らないが、たぶん主人公の少女なのだろう。なかなか心憎い演出だと思った。

 というわけで、こちらからは明日萌駅しか見えないが、恵比島駅を後にした。8:27発。
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 このあと、恵比島峠というのを超える。ところどころ、雪が残っている。

 峠を越えたあと、峠下駅で列車の行き違い。停車時間は短かった。
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 峠下8:36発。発車してすぐのところで目についた廃屋。
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 今回の旅で、あちこちの沿線に、ずいぶんたくさんの廃屋を見かけたように思う。辛うじて原形をとどめているものもあれば、無惨に崩れ落ちているものもあった。廃屋は、北海道の鉄道風景の、一つの特徴のような気がした。

 かつて、それぞれに希望を抱いて入植し、開拓を進めたものの、どういう理由によってか、その家をそのまま棄てて去らなければならなくなった。そこにどういう物語があったのかは判らないが、棄てられた家の残骸というのは、なんとも悲しい風景だと思う。

 峠を下り、再び人の生活が見えてくる。幌糠(ほろぬか)駅はダルマ駅舎だが、車が止まっていて、人の利用があることが判る。8:43発。
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 藤山駅。8:49発。
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 大和田駅。あたりに何もないように見えるが、秘境駅200位以内には入っていないから、恐らく見えないだけで、近くに人家もあるのだろう。8:54発。
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 9:00,留萌駅1番線に到着。細かい雨が降っている
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 跨線橋を渡って、向かい側の2番線ホームに行ってみた。朝夕2回だけ、このホームも使われているようだ。
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 外に出た。駅の外観と、駅前の様子。
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 ここでは、次の増毛行きの発車まで、3時間以上の待ち時間がある。町歩きをしようと、ある程度調べては来ているのだが、雨で出鼻をくじかれた格好だ。僅かな降りなのだが、細かい雨なので、少しの風でも傘が役に立たず、全身が濡れてしまう。
 仕方ないので、アーケード伝いに行けそうな観光案内所(要するに土産物屋)に行ってみた。その脇に、早くからやっている喫茶店があるようなので、入ってみた。コーヒーを飲みながら、新聞を読んだりして30分ぐらい時間をつぶした。

 しかし、雨は一向に止む気配がない。ザーザー降りなら諦めもつくのだが、何と言うか、全体としては非常にしょぼくれた降り方なので癪に障る。
 だが、こうしていても仕方がない。少しぐらい濡れても構わないと心に決めた。せっかくここまで来たのだから、計画通りちょっと港の方に歩いて行ってみよう。

 駅前の通りを右に折れて、しばらく行くと橋を渡る。弱い風だが、かなり寒い。結構濡れてきた。
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 渡り切って少し行き、右に折れると、留萌駅を出て増毛に向かう線路があり、踏切があった。
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 右手を見ると、さっき橋の上からも見えたトラス橋があった。しかも、二つ並んでいる。
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 アップにしてみる。右側の、使われている方の向こうには、留萌駅の跨線橋がかすかに見えている。
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 一つは留萌本線のものだが、もう一つは何だろう。かつてこの留萌から、日本海沿いを北に向かい、宗谷本線の幌延と結んでいた羽幌線という廃線があったようだが、それは駅の反対方向になるはずだ。
 実は、家に帰ってから調べてみると、昔このあたりには、留萌鉄道築港線というのが走っていて、浜と駅とを何方向か結んでいたということが判った。その一つの遺構ということのようだった。留萌駅にも、大いに賑わった時代があったのである。

 港は雨で煙っていた。この先に石造りの倉庫群などがあるらしいのだが、とても行く気にはなれなかった。
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 駅に戻った。
 この駅の待合室に、駅そばがあるというのは素晴らしいことである。暖かいニシンそばを注文し、左側のテーブルで食べた。
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 寒かったので、まず一口食べた。それから思い立って、シャッターを切った。だからこれは、出てきたままの状態とは少し違っている。なるべく元通りにはしてみたのだが。
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 再び、留萌駅1番線ホーム。これは、12:04に深川からやって来た2両編成が、ここで前後に切り離され、右の1両は12:15発の深川行きとして戻って行き、左の1両が12:19発の増毛行きになるという仕掛けなのだ。有人駅だから、改札のところで駅員が、わたしのようなよそ者には、こっちの車両ですよと丁寧に教えてくれる。
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 発車してすぐ、さっきのトラス橋を渡り、最初の停車駅・瀬越(せごし)駅。12:23発。
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 礼受(れうけ)駅。12:28発。
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 阿分(あふん)駅。車両1両分にも足りない板張りのホーム、向こう側が踏切になっていて、その右側、道のこちら側にあるオレンジ色の屋根の小さなプレハブのようなのが駅舎ということになる。さらに右側は、すぐ小学校になっている。12:30発。
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 留萌からこっち、列車は海沿いに出て、小さな集落の間を縫うようにして走って行く。
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 信砂(のぶしゃ)駅。12:34発。
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 舎熊(しゃぐま)駅。12:36発。
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 朱文別(しゅもんべつ)駅。と、駅前?の様子。12:38発。
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 箸別(はしべつ)駅。すぐホームの脇に、崩れた廃屋が。12:41発。
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 12:45、増毛駅到着。
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 終着駅だ。幸運にも、雨は少し顔に当たる程度でほとんど止んでいる。
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 乗って来た列車が、折り返して行ってしまう。次の列車まで、2時間半あまりの時間がある。
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 外に出る。これが駅舎。古い建物のようだが、手が加えられてしまって、中は駅というよりも土産物屋になってしまっている。
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 駅前の、あまりに有名な建物2つ。
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 風待食堂は観光案内所になっている。中で、100円の増毛町来町証明書というのを買って、日付を押してもらった。なんか、観光地になってるなァ。

 中心になる町並みはよく整備されて、確かに歴史を感じさせる建物があちこちに残っている。
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 感動したのは、中心から少し離れた、長い坂道を上っていったところにある、この建物。昭和11年築という町立増毛小学校の木造校舎。
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 現在は別の場所に移転したらしいが、つい一年前まで、ここが実際に使われていたのだという。確かに、まだ全然荒れた感じはなく、周囲をを一周してみると、とにかくすべてが木造で、そのスケールの大きさと、よく手入れがされていることに驚かされる。

 これは体育館。
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 これは給食室のようだ。
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 正面玄関。
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 再び坂を下りて、元の町並みの方へ。道の向こうにすぐ海が見える、海辺の町の典型的なショット。
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 来る前からチェックを入れてあった蔵元・國稀(くにまれ)酒造。
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 ところが行ってみると、写真の左側の駐車場に観光バスが1台止まっていて、ここはツアーのコースに組み込まれるような、そういう商売をしている酒蔵のようだった。
 中は、蔵の奥まで結構自由に見られるようになっていて、土産売り場と試飲コーナーにツアー客の姿があった。わたしはそれに混ざって5,6種類試飲して、何も買わずに外に出て一服した。前に、ちゃんと灰皿とベンチが置いてあるのだから、それだけで興醒めというものだ。

 駅の近くで、観光と関係のない細道を少し散歩。ちょうど桜が満開だった。
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 ということで、再び増毛駅。また、雨が降り出した。しかし、町歩きは傘なしでできたのだから文句はない。
 15:38発の深川行き。これは、すべての駅に停車して行く。
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 往路で撮影できなかった駅、2つ。どちらも、例の秘境駅ランキングに入っている。
 まず、真布(まっぷ)駅。67位。
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 次は、北秩父別(きたちっぷべつ)駅。60位。
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 深川駅、17:13着。
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 このあと、18:04発の函館本線の電車で岩見沢に向かった。車窓から、西の方の空の雲が切れて、太陽の光が差しているのが見えた。明日は天気が回復するらしい。明日は帰るんだけど、ね。
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 岩見沢駅。19:17着。
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by krmtdir90 | 2013-05-30 18:41 | 鉄道の旅 | Comments(6)

北海道の旅⑥釧網本線・石北本線2(2013.5.22)

 *読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。

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 遠軽駅はスイッチバックの駅である。

 普通、スイッチバックというと、鉄道が不得意な急な傾斜のところを、行ったり来たりすることで緩やかにして克服しようとしたものである。昔は機関車の力が弱かったから、至るところでスイッチバックが見られたようだが、機関車の性能が上がるにつれて次々に廃止され、いまでは肥薩線の真幸(まさき)駅や篠ノ井線の姨捨駅などが、残っている中では代表的なものである。

 ところが、スイッチバック駅にはもう一つ、平地の何でもない駅なのに、なぜかスイッチバックになっている駅というのがある。これは多くの場合、その駅が辿ってきた歴史が関係している。遠軽駅は昔、スイッチバックの先に名寄本線という路線が延び、オホーツク海の沿岸を経由して、宗谷本線の名寄駅まで続いていたのだという。名寄本線はオホーツク海に出たところで、更に分岐する幾つかの支線を持っていたらしい。しかし、それらすべてがいまはなくなってしまっている。

 遠軽駅は、華やかなターミナル駅の時代があったのだ。わたしはその時代を知らないが、その時代に大人にはなっていたのだから、廃線になってしまったそうした路線や、遠軽駅の賑わいを知らないで来てしまったことが、いま残念でならないのである。
 遠軽駅は、一度降りてみたい駅だった。

 まず、跨線橋に上がってみた。床は、枕木だろうか。他では見たことがない、がっしりとした木の床だ。
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 わたしが乗ってきた14:53着のキハ40形2両編成が停車している。
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 転車台が残っている。
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 こちらが南の方角。先の方で線路が二股になっているのが判る。左の線路から入ってきたのだ。こちらが北見・網走方面。右の線路が上川・旭川方面になる。
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 北の方角を見る。線路が入り組んで続いているように見えるが、この先はもう線路はない。行き止まりである。名寄本線が廃止されたのは、1989年だったという。
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 ホームに降りて、同じ方向を見る。
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 外に出てみた。駅舎は少し高いところにあり、堂々とした佇まいだ。
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 駅前の様子。雨がポツポツし始めたが、少し歩いてみた。
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 待合室で、残りの時間をつぶした。高校生が2人、男子と女子、お互い無関係に座っている。遠軽高校の生徒だろうか。

 遠軽駅のホームに停車中の、旭川行き普通列車、キハ40形の2両編成。乗客は、待合室にいた高校生2人とわたしの計3人。16:12発。彼らはどこまで帰るのだろう。
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 瀬戸瀬駅。16:25発。
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 下白滝駅。秘境駅ランキング21位。下りの快速きたみ・キハ54形とすれ違い。16:46発。
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 旧白滝駅。秘境駅…23位。16:53発。
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 白滝駅。4つ続く通称白滝シリーズの中で、唯一普通の駅。駅前もある。高校生2人はここで降りていった。
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 17:02発。とうとう運転手とわたし、2人だけになってしまった。雨も降ってきた。

 次が問題の駅・上白滝駅。秘境駅…29位。
 ここは、列車が一日に、上り下り各1本ずつしか停車しない駅なのである。下りが朝の7:04。上りがこの列車で、17:08。
 この貴重な停車時間、写真を撮ろうと身構えていたのだが、運転手もこの駅で停車することに何の意義も見いだせないのか、停車するやいなや、あっという間に発車してしまった。こういう緊張には弱いのです。駅舎に対する停車位置も、わたしのいた席のあたりからは最悪で、ピントが甘い写真しか撮れなかった。うーん。
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 さて、これから石北本線最大の難所・北見峠越えになる。次の上川駅まで、駅間距離は34キロ、傾斜もきついので、スピードは全く出せない。時刻表によれば、17:08に上白滝を出て、上川に着くのは18:16となっている。
 山に分け入るに従って、あたりは薄暗くなってきている。雨も強くなってきたようだ。ディーゼルエンジンを必死でふかしているのが伝わってくる。乗客はわたし一人。別にどうということもないのかもしれないが、何となく不安である。

 しばらくして、列車は山中の信号所に止まった。このあたり、元は駅があったところが廃止され、信号所になったというのが幾つもある。ここはホームはないが、木造の駅舎が残っている。看板から、上越信号所と判った。まだ残雪がかなりある。雨は降り続いている。
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 特急オホーツク5号とすれ違った後、列車は再び動き始めた。

 ディーゼルの普通列車に乗るようになって実感したのは、鉄道というのはホントに傾斜には弱いのだということだ。少しの傾斜でも、すぐに速度制限がかかり速度を落とす。しかも、上り傾斜だけではなく、下り傾斜でも全く同じなのだということが判った。鉄の車輪と鉄の線路だから、確かにすべり始めたら歯止めがきかないだろう。
 だから、峠を越えても、列車はやっぱりゆっくり下っていく。

 こうして、18:16、ようやくたどり着いた上川駅は、あの高梨沙羅選手の地元ということらしかった。
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 ここで、なんと37分停車。雨が降っているが外に出てみる。駅舎の外観と、駅前の様子。よく整備されているが、駅前にビルが全くないというのも珍しい。
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 待合室と改札口。有人駅のはずだが、もう夜だから営業を終了したということか。
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 跨線橋から、停車中の列車を見る。
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 発車時刻が近付くにつれて、高校生が次々に乗ってきた。何だかひどく騒がしい連中だ。毎日、このほとんど空っぽの列車を利用していると、つい傍若無人になってしまうのだろう。まあ、仕方がない。利用者がいるということは、何を置いてもいいことなのだから。
 ここから旭川まで、この列車は通勤通学の足という役割を果たすことになるようだ。18:53発。外はすっかり夜になってしまった。

 20:05、旭川駅着。
 20:46、旭川発・岩見沢行きの電車に乗車。
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 21:12,深川駅着。
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 長い一日が終わった。雨はほとんど止んでいた。
by krmtdir90 | 2013-05-30 01:33 | 鉄道の旅 | Comments(7)

北海道の旅⑤釧網本線・石北本線1(2013.5.22)

 *読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。

 きょうは長距離の移動になる。明日は留萌本線に乗る予定なので、きょうはどうしても深川まで行っておきたい。根室本線を戻るのであれば、特急を使わない限り、5:45発の普通列車に乗らなければならない。これはやはりつらいし、同じ線を戻るのもつまらないので、少し遠回りにはなるが、釧網本線で網走に出て、石北本線で旭川、さらに函館本線で深川というルートを取ろうと思う。
 このルートは昨年の3月に、宿泊地は異なるが、一度乗っているルートである。しかし、その時はまだどこもかしこも雪景色だった。

 釧路駅9:05発、網走行き快速しれとこ、キハ54形、単行。いまのところ晴れているが、これから向かう先は、予報ではいつ降ってきても文句は言えない感じだった。
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 釧路湿原駅。このあたりは観光路線なので、ログハウスなどのしっかりした駅舎が多い。9:25発。
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 湿原の中、釧路川沿いにさかのぼる。
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 塘路(とうろ)駅。9:36発。
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 湿原はほとんど林の中なのだが、こういうところもある。
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 茅沼駅。駅舎の向こう側に畑があるのだが、昨年の3月、一面雪に覆われた中で、タンチョウヅルの姿を見ることができた。9:44発。
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 標茶(しべちゃ)駅。昨日訪ねた厚床駅から、旧標津線は中標津を経由してここまで達していたのだ。構内は広い。10:21発。
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 摩周駅。10:21発。
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 川湯温泉駅。10:36発。
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 発車するとすぐ、後方に硫黄山の姿が見える。
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 緑駅。10:51発。
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 札弦(さっつる)駅。右手に見えているのは、斜里岳。10:59発。
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 車窓の斜里岳。曇ってきているが、山の姿はしっかり見えているので、文句はない。
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 知床斜里駅で交換待ちの6分停車。外に出てみた。これが駅舎の外観だが、何と言うのだろう、デザインに「どうだ、カッコいいだろ」という、独りよがりな自己満足のようなものを感じてしまって、どうも好きになれなかった。
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 11:25発。行き違ったのは、北海道カラーのキハ40形、緑行きの普通列車。釧網本線は特急は走っていないのだ。
 
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 後方に見える山は、海別岳か(よくわからない)。
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 発車してすぐに海岸線に出る。オホーツク海だ。左手、海の彼方に見えているのは知床の山々と思われる。
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 突然ですが、前回ここを通った時は、海は流氷で埋まっていたのです(2012.3.4)
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 再び今回に戻って、止別(やむべつ)駅。やっと古びた木造駅舎が出てきた。11:36発。
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 原生花園駅。5~10月の間だけ停車する臨時駅。実は一昨年の夏、妻とクリスタルハートのツアーで、観光バスで訪れている。その時は人が一杯だったが、いまはまだ花も咲いておらず、ひっそりとしている。11:46発。
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 次が有名な北浜駅。通り過ぎるだけ。11:51発。
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 藻琴(もこと)駅。ここも通り過ぎるだけ。11:55発。
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 網走駅12:05着。ホームの反対側に、12:10発の遠軽行きが止まっている。北海道カラーのキハ40形、2両編成だ。ここは乗り換えるだけ。ここから石北本線に入る。
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 女満別駅で、交換待ちの停車。網走行きの特急オホーツク1号とすれ違う。12:31発。
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 次の西女満別駅は、例の秘境駅ランキングで75位。小さな木だが、桜が咲いている。12:37発。
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 緋牛内(ひうしない)駅。ここから北見市に入っている。12:57発。
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 端野(たんの)駅。13:05発。このあたりの駅は、みんな駅前があり、生活がある感じの駅だ。
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 愛し野(いとしの)駅。13:08発。
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 北見は去年、一泊している。したがって今回、北見駅の写真はない。
 次の西北見駅(13:30発)・東相内(ひがしあいのない)駅(13:34発)は、どちらも乗降客があった。それだけで何だか嬉しい。
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 留辺蘂(るべしべ)駅で、特急オホーツク3号との交換待ち。
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 時間があったので、外に出てみた。町はあるが、何だか寂しい駅前だ。13:59発。
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 西留辺蘂駅。14:03発。
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 次の金華(かねはな)駅で交換待ちの停車。
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 この駅は、感じるところのある駅だった。古い木造の駅舎。左のところに、常紋トンネル工事殉難者追悼碑が駅から約300mのところにあるという掲示が掛かっている。一本の鉄道を通すために、昔は様々な難工事があったのだ。行ってみたい気もしたが、途中下車するためには、そのためのきちんとした計画が要る。
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 外に出てみた。駅舎の外観と、駅前の様子。
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 駅舎内部はこんな感じ。
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 交換したのは、網走行き普通列車。14:17発。
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 安国駅。14:45発。
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 瞰望岩(がんぼういわ)が見えてきた。もうすぐ遠軽駅だ。
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by krmtdir90 | 2013-05-29 21:50 | 鉄道の旅 | Comments(2)

北海道の旅④花咲線2・復路(2013.5.21)

 *読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。

 12:24、根室を出るあたりから空が明るくなって、雲の切れ目から青空が覗いたりするようになってきた。いい感じだ。

 東根室を過ぎて、次が花咲駅。秘境駅ランキングでは125位。でも、125位っていうのはどうなのだろう。まあ、一種の遊びなのだから、ごちゃごちゃ言うのもどうかと思うが、せいぜい50位ぐらいまでだろうなという気はする。12:31発。
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 次は西和田駅。ダルマ駅舎が続く。12:36発。
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 昆布盛を過ぎて、次の落石駅。
 何だか人がいるなと思っていたら、ついにツアーの一団が乗ってきた。やっぱりなぁ。しかし、こんなところから乗るんだ。トラピックスではここで乗るツアーはなかったはずだから、どこだろうと見ていたらクラブツーリズムだった。そうなのだ、旅行会社はいっぱいあるのだ。
 でも、往路で十分楽しんだから、まあ仕方がないかとあきらめかけていたら、なんと次の別当賀駅であっさり下車してしまった。たった一駅、10分足らずのローカル線体験だ。でも、ほっとした。クラブツーリズムはえらい。

 初田牛駅。往路にも写真を入れておいたが、今度は停車位置が良くて、うまく撮れたと思うので。14位だし。13:08発。
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 次の厚床駅で、13:14途中下車した。ルパンは行ってしまった。
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 ここは昔、標津線というのが分岐して、中標津・標茶・根室標津といった駅を結んでいたのだという。
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 実はさっき、根室行きの車窓からちょっと珍しいものを見つけていたから、帰りにぜひ下車してみようと決めていたのだ。
 構内は広く、列車交換が可能な2つのホームがある。間をつなぐ踏切を渡って、
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 ↓この写真の左手の枯草の中にそれはあった。
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 転車台があった跡と思われる、丸い穴。崩れかけたコンクリートの外周と、中心部の土台だけが残っていた。近付いていくと、そこらじゅうツクシが顔を出していた。
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 中に降りてみた。たぶん、夏になると雑草に覆われてしまうのだろう。
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 構内をあちこち歩き回ってみた。ここはいい駅だ。空はすっかり晴れてしまって、日差しが暖かく、のどかな、とてもいい雰囲気の午後である。
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 駅舎の中に入った。こぢんまりとして、きれいに整頓されている。
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 駅舎の外観と、駅前の様子。
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 ↑この写真、左側に小さく、手押し車を押してこちらにやって来るお婆さんの姿が判るだろうか。このお婆さんは、休みながらゆっくり駅までやって来て、駅舎のトイレの中に消えた。

 次の列車までまだかなり時間があったので、わたしは正面の信号の所まで行き、右に折れて辺りを少し歩いてみた。どことなく疎らな感じだが、家々があり、郵便局があり、セブンイレブンがあった。郵便局に入り、カードで5000円下ろしてみた。それから、セブンイレブン根室厚床店で冷たいコーヒーを買い、また駅に戻って、正面の階段に腰を下ろして飲んだ。あと20分あまり。静かである。

 と、そこへ、観光バスが一台やって来たのである。エーッと思う間もなく、ツアーの一団がどやどやと降りてきた。あたりは一気に騒がしくなってしまった。
 まいったなぁと思いながら煙草に火を付けていると、ツアー客に押し出されるような形で、さっきのお婆さんがトイレから出てきた。ツアー客と話しているのを聞くと、お婆さんはトイレの掃除に来ていたのだということが判った。そうだったのか。
 お婆さんは、また手押し車を押しながら、ゆっくりゆっくり帰って行った。

 それにしても気になるのは、ツアー客がどちら行きに乗るのかということである。今度行き違いになる列車はどちらも14:42発だから、発車時刻からは判断ができない。耳をそばだてて会話を聞いてみるのだが、さっぱり要領を得ない。ツアー客というのは、自分がどこから来てどこに向かっているのか、いまどんな場所にいるのかといったことについて、全然正確に把握しているわけではないのだ。

 だが、時刻が近付くにつれて、わたしのきょうのツキはまだ続いていることが、徐々に判明してきた。わたしが乗る釧路行きは、向かいの2番線ホームの方に着くのだが、そちらに渡って、そ知らぬ顔で列車の来る方向を見たりしていたのだが、彼らは一向にこちらに渡ってくる気配がない。駅舎側のホームで固まっているままだ。
 よしっと叫びたくなった。彼らは根室に向かうのだ。これが、その皆さん。
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 先に、わたしが乗る釧路行きがやって来た。
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 ほどなく、皆さんの乗る根室行きもやって来た。これでお別れです。それにしても、きょうはツイている。
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 午前中に一度通ったところを帰るのだが、晴れたので、景色の雰囲気なども全く違って見えて面白い。
 これは、糸魚沢・厚岸間の別寒辺牛湿原の様子。
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 15:24、厚岸駅で途中下車。
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 次の列車まで1時間ほどしかないから、牡蠣を食べに行って来るのは無理と判断し、駅と駅の周りで何となくぶらぶら過ごした。

 駅舎と駅前の様子。「ここは海抜3m」という表示は、東日本大震災の後あちこちで見かけるようになったが、単なる旅行者にとっては、へーそうなのかと言う以外に言いようがない。でも、3mは低いな。
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 厚岸16:29発の、始発の釧路行きに乗った。すぐに厚岸湾沿いを走る。海はやっぱり、青い空青い海がいいと単純に思う。
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 17:20、釧路の一つ手前の東釧路駅。ここは釧網本線との分岐駅で、すべての列車は釧路始発になっているが、向こうに止まっているキハ40形は17:21発摩周行きの列車。
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 高校生が次々に走り込んでくる。右手生徒の陰になっている奥の広場に、猛スピードで入ってきた黄色のタクシーが2台止まっているのだが、これに分乗して駆け込んできた生徒もいた。この列車を逃すと、次は18:26発になってしまうから大変だ。
 家に帰って地図を調べてみたが、釧路北陽高・釧路湖陵高・釧路工高といろいろな高校があった。でも、こうして駅に高校生が一杯いるというのはいいものだ。

 というわけで、17:24釧路駅到着。空は、すっかり快晴になってしまった。昨日と同じ釧路駅だが、印象が全く違うので載せておく。
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  [付録]
 きょうは一日、非常にツイていたし、快晴になってしまって気分もいいので、ちょっと幣舞橋まで散歩しようという気になった。幣舞橋は夕日の名所と言われていて、駅からだと大体1キロぐらいの距離。泊まっているホテルはその中間あたりにあるから、大体1.5キロの散歩になる。日没にはまだ少々早い感じだが、まあいいだろう。
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 ということで、一日が終わりました。
 夕暮れの釧路市街。幣舞橋の方から釧路駅の方を見ています。横断歩道の途中で、偶然車の姿が全くないことに気付いて、シャッターを切りました。
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by krmtdir90 | 2013-05-28 17:03 | 鉄道の旅 | Comments(2)

北海道の旅③花咲線1・往路(2013.5.21)

 *読んでくださる方、できれば①から順番に読んでくださると嬉しいのですが。

 根室本線は釧路を境にして、その先の根室まで、全く別の路線のような運行形態になっている。特急も行かないし、普通列車も釧路・根室間を独立して行き来している。そのためか、この区間には花咲線という愛称が付けられている。
 きょうは一日、この花咲線を往復する。

 もう20年以上前になるだろうか、トヨタのワンボックスを運転して、家族で何度か北海道を訪れたが、納沙布岬まで行って、茹でたての花咲ガニを黙々と食べたことを思い出す。だが、今回の旅は岬もカニも興味がない。このローカル線に乗ることそのものが目的であり、いくつかの駅とその周囲を歩くことができればそれでいいのだ。

 一つだけ不安があった。
 最近のツアー旅行で、地方の魅力的なローカル線をコースに組み込むのが増えてきているようなのだ。去年の夏、五能線に乗った時は悲劇だった。三つか四つのツアーが入れ替わり立ち替わり乗り込んできて、風情も何もあったものではなかった。
 わたしもツアー旅行に参加したことがあるから、それ以来、阪急交通社の案内パンフレットが引きも切らず送られてくる。それを見ていると、どうも最近、この花咲線が狙われているように思えるのだ。根室まで行って帰って来ようとすると、こちらが乗車する列車はおのずと限られてくるわけで、しかもそれが、バスツアーの途中に組み込むにも丁度いい時間帯になっているらしい。

 五能線の二の舞いだけは避けたい。
 希望があるとすれば、ツアー旅行というのは設定される日にちが大体飛び飛びになっていて、連日実施されるわけではないということ、それと、いまは北海道旅行のシーズンとしては、やや早過ぎるのではないかということがある。とは言っても、当たる時は当たってしまうわけで、花咲線に行こうと決めた時から、何とかそうならないようにと祈るような気持ちであった。

 実はこの朝、ホテルで北海道新聞の「きょうの運勢」を何気なく見たら、「8月生まれ・予定通り行動して吉」とあった。よし、北海道新聞を信じるぞ。
 だが、天気は相変わらず曇り。雨はなさそうだが、依然として厚い雲がたれこめている。

 ちょっと前説が長くなった。では出発。
 釧路駅8:15発、根室行き、キハ54形の単行。
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 このあたり、木々はまだほとんど芽吹いていない。
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 何というか、非常に不思議な光景。湿地のような所なのだが、一つ一つ丸い固まりのようになっている枯草の頭の所に、今年の新しい芽が生え始めているらしい。ほかでも何度か見かけたが、こんなに密集しているところはなかった。
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 上尾幌駅。上りの、北海道カラーではないキハ40形と行き違い。8:44発。
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 車両の種類の中で、外観的には、ありふれているがキハ40形が好きである。
 だが最近、結構車内を動き回って(さりげなく)写真を撮ることが平気になってみると、キハ40形というのは、前後の運転席横から線路を正面に狙う写真が撮りにくいことが分かってきた。窓面積が狭いのである。その点、いま乗っているキハ54形はなかなかいい。窓が広くて撮りやすいのだ。

 尾幌駅。北海道ではよく見かける、車掌車を再利用した通称・ダルマ駅舎。ここのはかわいい絵が描いてあって、なかなかいい感じだ。8:53発。
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 次の門静駅を過ぎると海岸線に出る。厚岸湾だ。
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 厚岸駅。ここは、帰りに途中下車する予定。9:06発。
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 厚岸駅を出ると、厚岸湖と別寒辺牛湿原。霧が出ている。
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 糸魚沢駅。9:16発。
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 次の茶内駅で交換待ちの停車。
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 外に出てみると、ルパン3世がいた。このあたり、浜中町がモンキーパンチ氏の出身地なのだそうで、ホームには銭形警部もいた。(次の浜中駅では、駅前にルパンのラッピングをした路線バスが停まっていた。)
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 反対側の釧路行きホームには利用客もいた。9:30発。
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 初田牛(はったうし)駅。秘境駅ランキング14位。ホントに周囲には何もない様子。10:00発。
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 別当賀(べっとが)駅。ここは人家がある様子で、右端に写っているのは公衆電話のボックスのようだ。10:07発。
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 霧が深い。左側は海だと思うのだが。
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 落石駅。自転車が一台止まっている。利用者がいるということだ。10:17発。
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 昆布盛(こんぶもり)駅。秘境駅…43位。10:22発。
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 このあと二駅は復路の方で紹介。
 いよいよ前方に根室の町並みが見えてきた。どうやら往路では、ツアーの団体とは遭遇しなかった。ツイていたと言うべきだろう。

 一つ手前の駅で10:36下車。
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日本最東端にある東根室駅だ。
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駅前はこんな感じ。
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 東根室・根室間は営業キロで1.5キロ。たいした距離ではないので、歩いてみようと思う。相変わらず曇っているが、少し明るくなってきたように思える。降っていなくてよかった。
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 線路をまたいでいる道を探して、しばらく待機。
 寒いが、風は強くない。こちらはセーターを着て、保温性の高いライトシェルというのを羽織っている。冬の装備だ。関東は30度になるとかならないとか言っているらしいのに。

 さっきのキハ54形が、根室駅を折り返してやって来た。
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道を渡って反対側。奥に見えているのが、さっき下車した東根室駅。
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 今度は、踏切から根室駅を望む。止まっている車両は、わたしが乗る予定の次の釧路行きだろう。まだホームには入っていないようだ。
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 このあたり、根室の市街で一番交通量の多いところのように思える。望遠をかけてみると、向こうに海が見える。
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 根室駅入り口。北方領土に関するスローガンは、市内至る所で目についた。
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 根室駅。歩いてもたいした距離ではなかった。
 昼は、駅舎の左寄りに小さく写っているそば屋で、暖かい卵とじそばを食べた。あまり愛想がいいとは言えない(老)夫婦がやっているようだった。
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 根室駅のホームには、12:24発の釧路行きキハ54形が。
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見るとこれが、ルパン3世のラッピングトレインなのだった。こんな感じ。
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乗ってみると、何と窓ガラスにもラッピングが。でも、これちょっとやり過ぎじゃないのか。景色が見にくい……。

 ともあれ、日本最東端の終着駅まで来たわけです。
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 上りの釧路行きルパンは、12:24に根室駅を発車した。
by krmtdir90 | 2013-05-27 23:15 | 鉄道の旅 | Comments(2)

北海道の旅②石勝線・根室本線(2013.5.20)

 今回は札幌には行かない。北斗星は10:41南千歳で下車し、10:47発の特急スーパーとかち3号で帯広に向かう。石勝線で新得まで行き、そこから根室本線に入るコースである。

 南千歳駅にて。
 (行ってしまう北斗星・入って来るスーパーとかち3号)
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 石勝線は初めて乗る路線だが、今回、写真は一枚もない。特急に乗ってしまうと、乗客もそれなりにいるし、窓も開かないし、速度も速い。写真はきわめて撮りにくいのだ。

 石勝線は、新千歳空港に降りた観光客を道東方面に送り込む短絡線として1981年に開通した、北海道では珍しく歴史の浅い路線である。もともと人がほとんど住んでいないところを通したから、駅も極端に少なく、トンネルも多い。
 さっき、南千歳駅では木々の芽吹きはかなり進んでいる印象だったが、山中に入るとまだほとんど芽吹いていない感じで、線路際のふきのとうが(これはもう開いてしまっているのが多かったが)ずいぶん目についた。簡単に取りに来れるような場所ではないのだ。

 新得から根室本線に入るが、この先は昨年(2012年)3月に青春18きっぷで流氷を見に来た時、すでに乗っているルートになる。

 帯広駅(12:54着)。
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 帯広に降りるのは初めてだったが、とにかくだだっ広い駅である。改札の外の店で名物の豚丼を食べ、食後の一服をするために喫煙場所を探したが、駅の周囲を一回りすることになってしまい、えらいことだった。駅前のロータリーも考えられないくらい広く、反対側の道路まで行くのにもずいぶん歩かなければならない。

 帯広からは普通列車で釧路に向かう。ここからが鉄道旅の本番である。
 帯広から釧路に向かうには、14:23発の釧路行きに乗ることになる。ところがその26分前に、どういう事情か池田まで行く列車があるのだ。そんなに本数のある区間ではないから、この運転間隔はきわめて短い。しかし、この1本前のに乗れば、池田までの間にある4つの駅のどれかに、26分間の途中下車が出来るということになるのだ。

 13:57発、池田行き、北海道カラーのキハ40形、2両編成。
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 14:08、二つめの稲士別という駅で途中下車。
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 この駅を選んだのは、秘境駅ランキングで74位だったから。
 降りてみて、板張りのホームは確かにいい感じだが、秘境と言うには少々無理があるのではないかと思った。駅のすぐ前を、センターラインのある普通の舗装道路が走っていて、車の往来も結構あるようだ。道路沿いには、入居者はいないような黒ずんだアパート風の建物など、人の気配はしなかったが、線路を挟んだすぐ向かい側に、明らかに住人がいると思われる比較的新しい家があるのだ。
 まあ、所詮ランキングなんて、元々よく判らないものだから別にどうでもいいことだが。
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 車は何台も通ったが、人には一人も会わなかった26分が過ぎ、14:34ちゃんと時間通りにやって来た釧路行きの列車。
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 この列車は、始発の滝川を9:37に出て、終着の釧路に17:39に到着するという、現在日本では最長距離を走る普通列車として有名なもの。わたしは、昨年(2012年)の3月3日に乗り通し、釧路駅で完乗証明書というものをもらった。嬉しかった。

 さて、列車はすぐ次の幕別という駅で交換待ちの停車。上りのスーパーおおぞら10号とすれ違った。
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 根室本線は全区間、非電化の単線なので、交換待ちの停車がちょくちょくある。
 普通列車のいいところは、相手が特急ならば、待たされるのは必ずこちらの方で、その停車時間の間はホームに降りたり、場合によっては駅舎の外まで行って来ることもできるということだ。これは楽しい。発車時間だけはきちんと押さえておかなければならないが。

 次の交換待ちは、常豊信号所というところ。
 ここは、前は駅だったが、恐らく周囲の人家が絶えて利用者がいなくなり、廃駅となって、しかし列車の行き違いは可能なので、こうして信号所として使われているということのようだ。
 車両1両の長さにも満たない短いホームと、駅名標もそのまま残っていた。
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 駅ではないから、ドアは開かない。しかし窓は開けられるから、ゆっくり撮影することができる。
 すれ違ったのは貨物列車だった。
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 次は、交換待ちではなかったが、なかなか雰囲気の良かった駅を三つ。
 まず、上厚内駅(15:58発・秘境駅…95位)
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 厚内駅(16:06発)
 この駅を出ると、海沿いを行くことになる。海の写真というのは、結局のところ海以外の何ものでもなく、つまらないので省略。相変わらず厚い雲がたれ込め、暗い海だった。
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 尺別駅(16:20発・秘境駅…80位)
 駅舎の向こうは海である。
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 さて、交換待ちの停車はまだまだある。
 古瀬駅。ここは、例のランキングで9位の駅。雨も降っていたし、降りて行ったわけではないが、この順位は納得。停車した側は板張りのホームしかないが、反対側には黒ずんだ不気味な建物が付いていて、何とも言い難い雰囲気を醸し出していた。
 すれ違って行ったのは、スーパーおおぞら12号。古瀬発は16:41だった。
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 大楽毛(おたのしけ)駅。ここでは普通列車同士の交換。
 停車中に、制服ではない高校生ぐらいの若者が結構乗ってきて、車内は急に騒がしくなった。家に帰って地図を調べてみたら、近くに釧路工業高専というのがあった。多分そこの生徒だ。17:25発。
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 釧路駅到着(17:39)。きょうはここで宿泊。
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 一日中、細かい雨が降ったり止んだりという天気だった。まあ、そういう時もある。でも、濡れるほどではなかったので良かった。 
by krmtdir90 | 2013-05-26 15:03 | 鉄道の旅 | Comments(4)

北海道の旅①北斗星(2013.5.19~20)

 帰りの北斗星は取れなかった。出発の日の午前中、駅に行ってそれが判り、帰りは特急と新幹線を乗り継ぐことにした。1人用個室ソロ(B1)でなければいやなので、本当は北斗星できょうの午前中に帰るはずだったのだが、昨日の午後の計画を割愛、11:20から昼間の移動に切り替えて、夜9時半頃に帰って来た。
 盛岡でこまちを併結し、17両編成になった全車指定のはやぶさは、時間も手頃だったからか、空席ゼロという盛況で、人が一杯でひどく疲れた。その後の中央線も、当然のことながら混んでいたし。

 寝台特急のいいところはいろいろあるが、夜眠っている間に移動ができてしまうというのは何といっても大きい。
 在来線を行くから走りにも変化があるし、翌日に仕事とかの予定があるわけではないから、眠れなかったとしても別にかまわない。走っていることに身を任せて、その変化する様子を様々に感じていればいい。飽きることはない。

 新幹線は高速で走らなければならないから、車体を安定させるため、可能な限り直線に近づけたコースを取る。地形の変化を愚直になぞっていく在来線と違い、障害になる所はどんどんトンネルで貫き、高架橋を渡して地形を無視していく。傲慢な交通手段である。
 それを乗り心地がいいと言うならそうかもしれないが、変化には乏しく単調である。車窓の景色も、地形を無視しているから関係性や物語性がなく、早すぎて印象に残らない。

 というわけで、北斗星だ。
 個室にこだわるのは、誰にも遠慮しないで煙草が吸え、お酒が飲めるからである。酔って眠くなったら横になればいいし、眠くならなくても、限りなくだらけて好きにしていられる。これは素晴らしいことだ。しかもその間にも、確実に目的地に向かって移動しているのである。
 新幹線ではこうはいかない。(つまらないから、新幹線との比較はもうやめる。)
 列車の中という非日常の空間に、日常の限りなくだらけた雰囲気を持ち込むことができる。そして、だらけたまま横になって、眠ってしまうこともできるのである。
 北斗星の食堂車で夕食を食べないのは、高いからということもあるが、この、最初の夜の何とも言えない自由な気分が楽しいからである。

 そのかわり、朝は必ず食堂車に行く。下りだと大体6時半過ぎ、函館を出たあたりで営業が始まるから、それに合わせて行く。そうすると、ちょうど大沼や駒ヶ岳あたりを走っている時に、車窓を楽しみながら朝食を食べることが出来る。贅沢である。
 1600円で洋食か和食のセットを選ぶことができるが、いつも気分的に洋食にしてしまう。前の晩に、必ず日本酒の300mlを飲むからだろうか。
 食べ終わったら、レジの横に置いてある函館積み込みの北海道新聞を買って、部屋に帰って読む。何とも贅沢である。

 今回は食事に行く前に、函館駅でホームに出て、初めて機関車の付け替えを見学した。
 北斗星は3種類の機関車が牽引しているのだという。まず。上野から青森まではEF510形という電気機関車。次に、青森で海峡線用のED79形というのに付け替えて進行方向を逆にする。更に、函館でDD51形というディーゼル機関車2台に替えて、再び進行方向を変える(元に戻る)。
 進行方向を変えるのは、青森・函館の両駅が、青函連絡船時代の名残で行き止まりのスイッチバック駅になっているためで、したがって機関車付け替えも、前と後ろで同時に行われることになる。だから、両方の機関車を見るためには、まず切り離す方を見て次に付ける方へ、恐らくホームの端から端まで走らなければならない。そんな恥ずかしいことは出来ないから、付ける方だけ見学した。

 結局、海峡線用のED79形というのはまだ見たことがないが、たぶん北斗星に乗ることはこれからもあるだろうと思うので、その時の楽しみに取って置くことにする。

上野駅にて
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函館駅にて
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by krmtdir90 | 2013-05-25 18:00 | 鉄道の旅 | Comments(6)

運試し

 久しぶりに北斗星に乗りたくなった。
 月末から6月は、飛び飛びだがいろいろと予定があるので、行くなら来週しかない。出発は明日の晩がいい。
 急な思いつきだから、切符が取れるかどうか分からない。取れたら行く、取れなかったら止めることにしようと決めた。ちょっとした運試しだ。

 午前中、散歩がてら駅に行ってきた。
 北斗星の一人用個室ソロ(B1)というのは、わたしの数え方が間違っていなければ、全部で37室ある。満室になることも多く、前日に行ったのでは取れない確率は高い。しかし、個室でなければいやだし、そうかと言ってA1にするつもりもない。

 窓口で、コンピュータを操作する係員の手元をドキドキしながら見ていると、あっけなく取れた。では部屋の希望を言えるかと聞くと、これが最後の一枚だから無理だと言う。
 最後の一枚が残っていたとは、何という運の良さだろう。

 選べるなら5,6号車の2階を希望したかったが、取れたのは9号車の1階だった。
 実は、5,6号車と9号車では部屋の構造が若干違っていて、9号車は天井の高さがないので、できれば避けたかったのだが。まあ、仕方がない。何しろ最後の一枚なのだから、文句は言えない。

 というわけで、明日の晩からちょっと北海道に行くことになった。
 取りあえず、釧路までの片道切符を買った。百閒先生の真似をすると、「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って釧路へ行って来ようと思う。」というわけだ。
 今年になって「大人の休日倶楽部ジパング」に入会したから、寝台券以外は3割引である。

 最後の一枚が取れたのに気を良くして、散歩の帰りにらっきょうを1キロ買ってしまった。さっき、1時間の単純作業が終わったところだ。
 「初らっきょう」のところで書いた2キロは、今晩で食べ終わってしまう。だが、これでさらに4キロ貯蔵することができた。よしよし、である。

 ところが。
 少し前に、インターネットで釧路の天気を見たら、ちょうど行く日あたりで雨が降る予報にになっていた。まあ、仕方がない。そういいことばかりはない。

PS. パソコンは持って行かないから、このブログは一週間ほど休みです。 
by krmtdir90 | 2013-05-18 18:29 | 鉄道の旅 | Comments(8)

分水嶺

 千曲川は日本海に注いでいる川である。長野県内の様々な川の流れを集め、県境を越えて新潟に入ると信濃川と名前を変える。信濃の国を流れている間は千曲川で、越後の国に入ってから信濃川になるというのが面白い。

 この川の源流は甲武信岳という山にある。この山の名前は、甲斐の国・武蔵の国・信濃の国の頭文字を取ったものだという。
 この山を源流としている川は千曲川の他にもある。甲斐の国に流れ出るのが笛吹川で、これは山梨県内で富士川と名前を変え太平洋に注ぐ。武蔵の国に流れ出る川は、埼玉県内ほとんどの川の流れを集めて東京湾に至る荒川である。

 つまり、この甲武信岳は分水嶺になっていて、この山に振った雨水は、ほんの少しの位置の違いで、日本海と太平洋とに流れる先が変わってしまうのである。
 この、日本海と太平洋とに分かれる分水嶺というのが、いつ頃からか妙に気になるようになった。
 東京や埼玉といった、関東平野とその周辺に住んでいる人間にとって、川というのはいつも同じ方向に流れ、最終的にはみんな太平洋に注ぐものというのが、体に染みついている感覚というか、考えるまでもない当たり前のことだったのだが。

 中央高速というのは、全区間が分水嶺のこちら側、つまり太平洋に注ぐ側を走っているのだが、韮崎を過ぎて、小淵沢、諏訪、岡谷といったあたりで高速を降りて、ちょっと北に向かう道を辿ってみると、すぐにこの分水嶺というものを実感することが出来る。
 分水嶺は、先の甲武信岳から金峰山・野辺山高原・八ヶ岳・蓼科山・霧ヶ峰とつながっている。

 諏訪南または諏訪ICで降りて少し行くと、茅野から上田に抜けて行く大門街道(国道152号)というのがある。白樺湖のある大門峠までが上り、その先が下りになる。
 峠までは、白樺湖から流れ出る小さな川筋を行く。これは一旦諏訪湖に入り、そこから天竜川となって太平洋に注いでいる。
 峠の先のヘアピンを過ぎるとまた小さな川筋に沿うようになるが、ここで流れの向きが逆になるのだ。この流れは上田の手前で千曲川と合流し、日本海に向かっている。

 だからどうなんだと言われそうな気もするが、どちらもまだホントに小さな流れで、お互いの距離もほんの少ししか離れていないのに、その向かう先が全く違ってしまっているということ、それは何かこう、ひどく不思議で感動的なことのような気がするのだ。
 川の流れで太平洋側と日本海側が分かれているという、発見というのはちょっと大袈裟かもしれないが、この視点はなかなか面白いと感じている。

 鉄道であちこち行くようになると、鉄道というのは川筋に沿って敷設されることが多かったから、峠を越えて川の向きが変わるという場面にも出会うことができる。
 サンライズ出雲で松江の方に行く時、岡山でサンライズ瀬戸を切り離し、夜が明けて姫路から伯備線に入って行くのだが、岡山・鳥取の県境で分水嶺を超えることが、寄り添う川の流れでよく判るのである。
 下りの中央本線で行くと、岡谷までは太平洋側だが、塩嶺トンネルを抜けて塩尻に出ると日本海側になる。線路はその先、中山道(木曽路)沿いに南西に向かって行くが、宿場のあった奈良井までは日本海側である。木曽路の難所の一つとされた鳥居峠を超えて、薮原に出ると太平洋側に戻るのである。

 何だかよく判らない文章になってしまったのでこのくらいでやめておくが、昨日、「お酒」の文章で触れた「佐久の花」は日本海側のお酒で、「御湖鶴」は太平洋側のお酒ということになる。しかし、その仕込み水となった地下水の始まりは、案外近いところにあったかもしれないのである。
by krmtdir90 | 2013-05-16 23:30 | 日常、その他 | Comments(6)

お酒

 お酒は好きだが強くはない。むしろ、弱い方だと思う。
 お酒が強いか弱いかというのは、生来の体質的なものだと思うが、若い時は強くないのを残念に感じることもあったが、いまは弱い方であったことを良かったと思っている。

 晩酌は日本酒にしている。
 休肝日を作った方がいいという意見もあるが、我慢するのはいやだから毎日している。毎日と言っても、コップ一杯で十分だから、このペースを崩さない限り安上がりだし、健康に悪いとも思っていない。

 最近は、このコップ一杯で満足できるというのが、お酒が好きな人間にとって非常に重要な点だと感じるようになった。この程度のことだから、いろいろなことに心置きなくこだわることが出来る。強かったらこうはいかないと思うようになった。

 いつ頃からか、生酒というものの存在を知るようになり、いまはほとんど一辺倒と言ってもいい状態である。 詳しいことはよく判らないが、要するに搾ったままの日本酒ということのようで、アルコール度数も18~19%と高めである。
 一般的な日本酒は、水を加えてアルコール度数を14~15%に調整し、出荷直前に火入れということをして品質を安定させるのだという。だから、常温で保存していいわけだが、生酒はそうはいかない。冷蔵保存が原則になる。最初の頃、それを知らずに失敗してしまったことがあるが、失敗して知る生酒のホントの旨さである。

 最近は、スーパーなどでも生酒を置いているところが出てきたが、こだわりの強い人間としては、蔵元を直接訪ねて手に入れるのを基本にしたいと考えている。
 ドライブの途中で、その土地の小さな蔵元を捜すのはなかなか楽しみなことなのだが、家族の共感を得るのは難しく、最近はほとんど一人で出かけるようになった。別に不満はない。

 生酒に傾倒するようになってからは、クーラーボックスを積んで行く。冷蔵庫で保管しなければならないから、しばらくは四合瓶(720ml)を買っていた。
 買っているうちに、四合瓶2本の値段で一升瓶(1800ml)1本が買えることが判ってきた。これは、どう考えても理不尽だし、四合瓶を買い続けるのは不経済だ。
 ある蔵元でその話しをしたら、一升瓶を買い四合瓶に詰め替えて保管している人がいると教えてくれた。なるほどなと思ったが、その場合、詰め替え用の四合瓶はたぶん使い回しになるわけで、すると、毎晩その四合瓶からコップに注ぐ時に、違ったラベルかラベルなしの瓶から注ぐことになるのではないか。それは何かしっくり来ないと言うか、ちょっとせこいような気がしてしまったのである。

 お酒というのはやはり気分良く飲みたいわけで、たかだか二合(360ml)得するために、そういうせせこましいことをするのは気分が悪いと思ってしまったのだ。
 結局どうしたかと言うと、専用の冷蔵庫を確保した。わが家には、まだ家族が多かった頃、大型の冷蔵庫と中型の(中の小といった感じの)冷蔵庫と、2台の冷蔵庫があって、その「中の小」の方は近ごろ必要度が低下しているので、手に入れてしまった。
 中の棚を外してしまうと、ちょうど一升瓶か3本入ることが判った。何とも好都合である。もちろんドアポケットには四合瓶も入るし、缶ビールやちょっとしたつまみを入れるスペースもある。非常に豊かな気分である。

 2本分の空きができて、最後の1本に手が付く頃になると、そろそろ買いに行かなければと思う。
 というわけで、今回は佐久の花酒造(長野県佐久市)に行ってきた。このあたりは千曲川の源流に近いところで、小さな蔵元がたくさんある。結構あちこち回ったが、結局ここのお酒が一番口に合って、このあたりの蔵元の中では絞り込まれた感じがある。JR小海線・臼田駅の近くである。

 今回は、初めて見かける「夏の直汲・純米吟醸生酒・佐久の花」というのがあって、元々出す量が少ないから、もうここにある3本で最後なのだと言う。ラベルの文字がわざと反転していて、見るからに希少性の高そうな代物である。聞くと、2700円だと言う。蔵元を訪ねて、偶然こういうのに出会うと、それだけで得をした幸せな気分になれる。
 冷蔵庫のスペースは2本分しかないから、これを2本と、いつもの「純吟・無ろ過生酒・佐久の花」の四合瓶を2本買った。鮮やかな青色の瓶にピンクのラベルが印象的である。

 車のガソリン代や高速料金を考えると、何をやっているんだという意見もあるかもしれないが、わたしはそうは思わない。外で飲むことを考えれば、安いものだと思っている。何しろ、一日にコップ1杯なのだから、ここが圧倒的な強みである。

 買ってきたらすぐに飲んで確かめたいものだが、そうはいかない。まだ途中の一本がある。
 諏訪大社・下社秋宮の門前にある、菱友醸造(長野県下諏訪町)というところで買ってきた「金紋錦純米酒・おりがらみ生原酒・御湖鶴(みこつる)」というお酒である。4月だったが、これもこの時期にしか出ないものだと言っていた。
 ともあれ、冷蔵庫に、蔵元で探してきた生酒の一升瓶が、3本並んでいることが大切なのである。
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by krmtdir90 | 2013-05-15 16:51 | 日常、その他 | Comments(0)


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