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主なテーマ、最近は映画ばかりになってしまいましたが、この何年か海外旅行にも興味があって、もともとは鉄道旅、高校演劇、本などが中心のブログだったのですが、年を取って、あと何年元気でいられるかと考えるようになって、興味の対象は日々移っているのです。
by natsu
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中国の小さな旅④上海・復路(2018.11.21~22)

11月21日(水)続き

 雨は昼ごろには上がるという予報を裏切って、降ったり止んだりを終日繰り返した。
 上海に向かうバスの窓は、雨滴はそれほどでもないのだが、湿気で曇るのを時々拭ってやらなければならない状態だった。で、思いがけず高速鉄道の走行が見えた時、慌ててカメラを向けたのだが、全体が滲んでしまって上手く写すことができなかった。残念。
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 以下はガラス面を丁寧に拭いてから写したもの。次第に上海の市街地に入って来ている。
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 外灘(ワイタン)のあたりを通ったようで、有名な対岸の高層ビル群が見えていた。
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 ここは夜になってから訪れる予定。

 ホテルに到着したのは午後3時20分ぐらいだった。
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 ここでは、チェックイン時に一人一人カウンターの前に行って写真を撮られた。中国では最近、パスポートだけでなくそういうことをするホテルも出てきているらしい。
 部屋に入って暫時休憩。
 部屋の窓からの眺め。
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 泊まったホテルはシェラトン上海虹口(ハンコウ)ホテル(上海虹口三至喜来登酒店)と言ったが、この虹口というエリアが、戦前に10万人もの日本人が暮らした「日本租界」のあったところだったらしい。見えている低層の住宅群は、租界当時の面影を残している地域だったようだ。
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 時間があったら行ってみるといいとガイドは言っていたが、このあと明朝まで、まったく余裕のないスケジュールだったのが残念だった。

 午後4時にロビーに集合して、バスで上海市内の見学に出発した。
 雨は相変わらず降り続いていて、時折止んだかと思うと、また思い出したように降り出す時間帯もあったりして、とにかくスッキリしないことこの上もなかった。
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 少し走ってから道路際でバスを降り、傘を差して歩いて行った。
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 最初に行ったのは豫園商城というところである。

 豫園(よえん)は明代に作られた著名な庭園のようだが、いまは庭園そのものよりも、その門前町として発展した商店街(商城)の方が人気になっているらしい。昔ながらの懐かしい雰囲気が味わえる場所として、夜になると観光客などで大変な賑わいを見せているという。

 われわれはガイドの先導で、商城の中心になっている人口池の畔まで行き、そこを集合場所として一旦解散した。とはいえ、事前に何も調べていないのだから、どこに行ったらいいのか見当がつかない。ガイドもそのあたりは心得たもので、希望者がいれば中国茶の専門店に連れて行ってくれるという。で、十人以上でついて行ったら、エレベーターで3階に上がった。
 その廊下からの眺め。
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 店の方でも慣れたもので、用意してあったテーブルにわれわれを座らせ、この人が流暢な日本語で説明しながら、いろんなお茶を淹れて試飲させてくれた。
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 一通り終わったあと、一応店内を申し訳程度に眺めてから廊下に出た。ビル群に明かりが入ってきれいな夜景になり始めていた。
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 それから下に降りて、このあとはそれぞれで通りなどを散策した。われわれも適当に店を回り、土産の菓子などを購入した。
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 ただ、隅々まで見て歩く気もないから、それほどの時間は必要ではなく、集合が何時だったか覚えていないが、10分以上前には集合場所に行っていた。
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 スターバックスコーヒーは着々と店舗を増やしているようだ。
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 ↓この建物が、
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 夕食を食べる南翔饅頭店である。
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 上海を代表する小籠包の名店らしい。 
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 円卓ではなく、一人一人に出てきたので、ちょっと写真を撮ってみた。
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 小籠包は絶品だったと、やはり書いておくべきなんだろうか。でも、正直に言えば、美味しかったけれど、それ以上の修辞はつかないという感じだった。へそ曲がりだから、率直に感動できないタチなんですよね。なお、右下の蕎麦つゆのように見えているのは紹興酒である。
 食事を終えて帰り際に。
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 入口のこの娘は、カメラを向けたら横に遠慮しようとするので、そのまま立っていてほしいと(手振りで)言ったら、スッと営業用のポーズを決めてくれた。さすが。

 外に出ると雨は止んでいた。上海のシンボル、通称「上海タワー」の上部が見えている。
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 さっきまでは霞んで上の方が見えていなかった。この日のような天候では、全貌を見るのはなかなか難しいようだ。
 以下は帰り道。
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 商城の外に出て、バスの駐車場まで、裏道のようなところを歩いた。
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 こういうところを歩くのは面白い。

 このあと、バスで10分あまり移動した。最後の目的地は外灘(ワイタン)である。
 この橋の手前でバスを降りた。
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 外灘の北側、呉淞江(ごしょうこう、蘇州河とも)に架かる外白渡橋(がいはくときょう)という橋で、1907年に竣工した中国で最初の鉄橋なのだという。
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 外灘というのは、かつてアメリカ・イギリス・フランスなどの租界(外国人居留地)があった地域で、当時建てられた西洋式建築が多く残っているところらしい。もちろん、そうした建築を見て回るツアーもあるのかもしれないが、
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 今回のように夜間にここを訪れるのは、主に美しい夜景を見るためであって、現在では外灘は屈指の夜景の名所として観光客を集めているということのようだ。
 橋の上から。
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 橋の向かい側では、結婚したばかりのカップルが夜景を背景に記念写真を撮っていた。
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 渡り切って、外灘の方から見た外白渡橋。
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 夜景を見ながら歩いて行く。
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 外白渡橋のこちら側で、呉淞江は前方の黄浦江(こうほこう)に合流している。
 この川べりを黄浦(こうほ)公園と言い、そこに立つこれは上海市人民英雄記念塔と言うらしい。
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 実は、帰ってからインターネットを見ていて判ったのだが、この赤色はライトアップで染められたもので、元の塔の色は白だったようだ。
 黄浦公園から道路の方を見ると、租界時代の歴史的建築が並んでいる。
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 ただし、夜景に気を取られて、そちらの写真はこれ一枚しかない。
 で、これが有名な黄浦江対岸の夜景。
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 この対岸は浦東(ほとう)新区と言い、大規模開発によって新たに生まれた高層ビル群のようだ。左寄りの球体のある塔は東方明珠塔というテレビ塔(高さ468m)で、右寄りの上部が霞んでしまっているビルは上海環球金融中心(高さ492m)と言うらしい。
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 上の写真の撮影時刻は午後7時33分である。
 雨はしばらく止んでいたのだが、このあたりでまた降り出してしまった。急いで引き上げることになったが、外白渡橋をもう一度渡り、最初にバスを降りたところまで戻らなければならなかった。われわれは念のため折り畳み傘を持参していたが、もう大丈夫と判断してバスに置いたまま下車してしまった人も多く、半分ぐらいの人たちが最後に濡れてしまうことになってしまった。
 ホテルに帰り着いたのは午後8時15分ぐらいだったと思う。

11月22日(木)

 早くも最終日である。この日は午前6時半にホテルを出発することになっていた。
 目覚ましをかけて、5時前に起床した。
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 まだ表は真っ暗である。天気は回復しているようだ(まあ、もう関係ないのだけれど)。
 朝食は6時からというので、もう一度部屋に戻るのは無理と判断して、そのつもりでレストランに行った。このホテルはいわゆる五つ星ホテルだったようで、ビュッフェ形式の朝食はたいへん豪華な内容だった。できれば時間をかけてゆっくり堪能したいところだったが、時間が限られているのが非常に残念だった。
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 ほぼ予定通りにホテルを出て、途中少し渋滞に巻き込まれたりしたが、7時10分ごろ(これもほぼ予定通り)上海虹橋(ホンチャオ)国際空港に到着した。
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 帰りの飛行機は上海航空FM815便で、9時10分に予定通り飛び立った。帰りの座席は真ん中の方だったので、写真はない。途中でプラス1時間の時差修正を行い、12時30分に羽田空港に着陸した(所要時間2時間20分)。
 何だかあっという間で、あまり外国に行ったという気がしなかった。
# by krmtdir90 | 2018-12-03 13:59 | 海外の旅 | Comments(0)

中国の小さな旅③蘇州~錦渓(2018.11.21)

11月21日(水)

 朝起きたら雨が降っていた。朝食後に外に出てみたが、けっこうしっかりした降り方である。
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 この日は蘇州を後にして上海に向かうが、途中、錦渓という古鎮に立ち寄ることになっていた。このぶんでは傘を差しての散策になるが、まあ、仕方がない。

 8時30分にロビーに集合して、雨の中をバスは出発した。
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 雨なので時間も少し余計にかかったようで、錦渓に着いたのは10時半ごろだった。
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 駐車場でバスを降り、傘を差して歩いて行く。この建物で入場券などを購入するようだ。
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 雨は小降りになっているような気もするが、相変わらず傘は必要である。
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 歩いて行くと川(運河?)の畔に出た。
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 見えている橋(屋根付き)を渡って行くようだ。
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 橋の途中から。
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 これは五保湖という湖で、錦渓古鎮はこの畔にできた水郷の街なのである。
 橋を渡った先には、片側に長屋のようになった土産物店が並んでいて、その庇の下をたどれば傘を差さずに行けるようになっている(写真は撮っていない)。
 その先に出ると、錦渓のシンボルになっている橋が見えた。
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 古蓮長堤と三亭橋という。手前が古蓮池、向こう側が五保湖である。

 古蓮池の右手のところは、地図には菱塘湾と記載されていて、幾つかの運河とつながっているようだ。
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 この写真の右手に運河遊覧の小舟の乗り場があった。シートが被せてある屋根付きの小舟がそれである。まずこれに乗るようだ。
 6人乗りだというので、われわれは3艘に分乗して出発した。
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 船頭さんは女性である。
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 舟は正面にある運河の一つに入って行く。
 雨は止んではいないが、この時はたまたまかなり小降りになっていて、屋根の下にいるぶんにはほとんど気にならない感じになっていた。ツイてる。
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 非常に印象的な形の橋があったが、
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 舟はこの手前でUターンして(たぶん、この橋を見に来ただけなのだ)、乗り場のあった菱塘湾に戻って行く。
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 ↑ここにも運河があるが、舟はさらに右手にある別の運河の方に向かって行った。
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 「茶館」とあるが、茶店のテラス席といった感じだろうか。
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 舟は、今度はこの運河をどんどん進んで行く。
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 両側は、お店の一部のように見える建物もあったが、普通の人家もかなりあるようで、裏口から石段で運河に降りられるような作りになっているものが多かった。 
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 いまでも洗い場のように使われることがあるのだろうか。
 前を行く舟の船頭さんが歌い始めた。
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 引き続いて、われわれの船頭さんも歌った。
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 お互いに2曲ずつ歌った(先頭を行った舟の船頭さんがどうだったのかは知らない)。
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 この先が下船場になっているようだ。
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 カメラのデジタル記録を確認すると、乗船していた時間は20分ほどだったが、非常に楽しい時間だった。雨も(降っていたけど)ほとんど気にならなかったし。
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 さて、このあとは錦渓古鎮の散策ということになる。小降りとはいえやはり傘は必要で、写真を撮るには不自由だったが、人がほとんど出ていないので、運河や街並みの風情がしっかり感じられて良かった。
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 基本的に、先ほど舟がたどってきた運河に沿うように、付かず離れずの感じで戻って行ったようだ。
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 雨は降り続いている。
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 橋。
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 衆安橋というらしい。
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 橋の上から。
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 さっき、この水面を舟で通ったのだ。
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 インターネットで調べてみると、錦渓古鎮には明清時代に建造された石橋が36も残っているらしい。衆安橋もその一つである。
 歩いていて、雨で人出が少ないということもあるが、ここはあまり観光地化していなくて好ましい古鎮だという印象を持った。
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 民宿というのはそのままの意味だと思うが、
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 こういうところに泊まるというのはどんな感じなのだろうか。
 また橋があった。普慶橋と言うらしい。
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 次は郵便局の建物だったようだが、いまも現役かどうかは判らなかった。
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 ポストも使われているようには見えなかった。
 実は、このあとどういうふうに歩いたのか記憶がはっきりしない。
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 はっきりしているのは、このお店の2階でお昼を食べたということである。
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 この写真は、食べ終わって店を後にする時に撮ったものだが、店のすぐ先に橋があり、
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 これが、さっき向こう側から写した普慶橋だったのである。
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 この視点というのは、舟で遊覧の時にほぼ同じ角度から写した写真があった(前の方を見てください)。うーむ、そういうことだったのか。

 このあと運河沿いを離れて、人々が普通に生活しているエリアを少し歩いた。
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 観光とほぼ無縁の区域だったと思うが、そういうところを歩けたのは良かった。
 最初に運河遊覧の舟に乗った乗り場のところに出た。
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 撮影時刻は12:44だった。舟と徒歩で、古鎮の中を一回りした感じなのだろう。なかなか趣があって、印象的な古鎮だったと思う。

 このあとは写真がない。天気予報では、雨は昼ごろには止むということだったが、どうもはっきりしないまま時間が経過してしまったようだ。徒歩で駐車場まで戻り、バスが錦渓を出発したのは午後1時20分ぐらいだったと思う。
 バスは上海に向かう。(続く)
# by krmtdir90 | 2018-12-01 22:11 | 海外の旅 | Comments(0)

中国の小さな旅②陽澄湖・蘇州2(2018.11.20)

11月20日(火)続き

 上海蟹は、長江流域に広く生息している中国モクズガニという種類の蟹で、中でも陽澄湖(ようちょうこ)産のものは最も高級な上海蟹としてブランド化されているらしい。一年中食べられているが、旬は10月から11月とされていて、今回のツアーはこの産地と旬にこだわって、現地の養殖場直営のレストランで蒸し立ての上海蟹(雌雄一対)を食べようという、何とも贅沢な昼食プランが組み込まれたものだった。
 上海蟹は日本でも食べられる店はあるようだが、とんでもなく高価なものになるので、もちろんいままでに食べたことなどなかった。

 車窓に陽澄湖が見えてきた。
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 ここの上海蟹が美味で珍重されるのは、湖底の質の違いが大きいと言われているようだ。この蟹が生息する湖沼の多くが泥地の底であるのに対し、陽澄湖は砂や岩の底になっていて、それが蟹の成育に好影響を与えているということらしい。けっこう広い湖だが水深は浅く、平均2メートルにも達していないということだ。

 上の写真の撮影時刻は11時11分で、どうやらバスが順調に来過ぎてしまったようで、レストランに行く前にちょっと寄り道をすることになった。
 脇道に入ったところに、上海蟹を売る露店が並んでいた。
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 みんなで降りて行って冷やかした。
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 予想外に小さいものなのだなと思った。
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 値段を言っていたようだが、興味がなかったので聞いていなかった。

 時間調整をしたけれど、11時37分(撮影時刻)にはレストランに着いてしまった。
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 非常にローカルな雰囲気の店構えだが、上海蟹では定評のあるお店らしい。やはり2つの円卓にいろんな料理が出てきた後、最後に、蒸し上がったばかりの上海蟹が山盛りになって出てきた。
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 最初にガイドが食べ方を教えてくれて、あとは各自黙々と蟹と格闘した。
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 ↑これはオスである。ひっくり返して、腹の模様の違いで見分けるのだという。↓これがオス。
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 ↓これがメスである。
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 肝心の、食べた感想だが。
 ・・・・・・・・・・。
 そんなに大騒ぎするようなものではないな、と思った。味噌はなかなか濃厚で特徴的な味だと思ったが、甲羅そのものが小さいし、量があるわけではない。それ以外の、足などの身の部分はほとんど食べるところがなく、えっ、これで終わりなの?、という感じだった。
 ・・・・・・・・・・。
 上海蟹は味噌を食べるもの、ということらしい。まあ、何ごとも経験してみなければ判らない。この日の昼食に幾ら費用がかかったのかは知らないが、もう二度と上海蟹を食べることはないだろうな、と思った。

 なお、上海蟹は身体を冷やす作用があるので、お酒はビールではなく紹興酒を合わせた方がいいと言われた。その通りにしたが、蟹そのものが量がないのだから、あまり関係ないのではと思った。
 あと、手がけっこうベタベタしたので、食後に石鹸を使って入念に洗ったのだが、強烈なにおいはなかなか取れなかった。
 店の奥に水槽があって、上海蟹がたくさん泳いでいた。取り出されて縛られ、蒸されるのを待っている蟹たち。
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 レストランを出たのは午後1時30分ごろだった。

 バスで5分ぐらい走って、今度はちゃんとした上海蟹の市場に立ち寄った。
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 ↑これが建物の壁面にあった市場の名前なのだが、その前に魚の干物と一緒に衣類や洗濯物が干してあったりして、いったいどういうつもりなのかよく判らない。
 卸売りの店がたくさん並んでいた。
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 ↓こちらの店では、蟹を一匹ずつ鮮やかな手さばきで縛っているところを見ることができた。
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 生きたまま縛って、その状態で各地に発送しているらしい。この日は平日だったので空いていたが、休日には近隣からの買い出し客でけっこう賑わうらしい。

 午後2時前に陽澄湖を後にした。
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 この囲いの中で蟹の養殖をしているらしい。遠くに見える鉄橋は高速鉄道のものだという。

 このあと蘇州市内に戻り、留園の見学はホテルに帰ってから希望者対象で実施することになっていた。ところが、ツアーの17人全員が希望するということが判り、ホテルに寄らずに直接留園の駐車場に向かうことになった。

 留園(りゅうえん)は、世界遺産にも登録されている中国四大庭園の一つである。創建は明代だというが、清代になって当時の建築造園様式で整備されたものだという。例によって荒廃と再建を繰り返し、現在のものは中華人民共和国成立後の大規模な改修を経て、1954年に一般に開放されたらしい。

 留園の前の道、留園路と言うようだ。
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 この右手に留園の入口がある。
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 非常に簡素なものだと思う
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 これは入ってすぐのところ。
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 中はかなりの広さがあり、多様な建築物と変化に富んだ庭園とが組み合わさっている。建物の狭い廊下を進んでいくと、
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 園の中心をなす池の畔に出た。
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 池の中に小島があり、橋を伝って行けるようになっている。
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 島の方から周囲を眺める。
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 ↑この小楼の建つ小高いところは見晴台になっていて、あとでそちらからの写真も載せる。

 池の畔から元の建物の方に戻り、今度はいろいろな建物の中をたどった。
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 建物にはたいてい大小の庭や中庭が付随していた。
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 奇妙なかたちの石があちこちに使われているが、これは蘇州の西方にある太湖(たいこ)という湖の周辺で採れる石灰石(太湖石という)だという。太湖の水で長年浸食され、穴が空いたり複雑な形状になったりしたもので、中国では各地の庭園で珍重されているらしい。
 さらにいろいろな建物と部屋、そして付随の庭を見て回った。
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 ↑この池は最初の池とは異なる。
 このあと、さらにあちこちたどった後、
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 もう一度、最初の池の畔に出た。さっきの、向かいにあった見晴台の方からの眺め。
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 園内を一通り見て回ったが、全体としてはどうも焦点がはっきりしない感じで、名高い庭園だと言われればそうですかと言うしかないが、あまり印象に残るものではなかったように思う。まあ、そういうこともあるということで。
 再びバスに乗って、午後4時ごろにホテルに戻った。

 この日はまだ終わりではない。午後4時45分にロビーに集合、徒歩で10分ぐらいのところにある山塘街(さんとうがい)に向かう。
 途中の何ということもない街並みも、次第に夕暮れになっていく時間帯の感じが、なかなか雰囲気があっていいものだと思う。
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 見えてきた。山塘街への入口の門。
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 これを入って歩いて行くが、このあたりはまだ道幅も広く、車やバイクも入ってくる。
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 右手の方に比較的広い運河が通っているようだ(写真には撮っていない)。
 しばらく行くと、左手に細い運河が分岐していた。
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 この運河に沿って、歩行者だけの小路ができていた。
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 ここからが歴史街区・山塘街の古い街並みになるようだ。

 山塘街は、唐代の詩人・白居易が蘇州の長官であった頃、周囲の運河とともに整備させたのが始まりだったようだが、その後様々な変遷を経て修復され、2014年に世界遺産に登録されたということのようだ。
 少し行った右手に、この日の夕食をとる食堂があった。
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 この写真は食後に、フリータイムになってから撮ったものだが、われわれは「団体」だから、2階の部屋に通された(左上のところ)。その窓から見下ろした山塘街の様子。
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 なお、この食堂は地元の人にも人気のお店で、麺類が売りになっているらしかった。小籠包などの点心のあと「麺」をいただいたが、わたしはあまり美味しいとは思わなかった。
 食事を終えて外に出て、上の写真と同じ方向を撮る。
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 空もすっかり暗くなっている。

 このあと、1時間弱のフリータイムが取られた。お店を覗いたりしながらあちこち歩いたが、写真はあまり撮っていない。
 運河に架かる橋の上から。
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 橋の先に続く小路。
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 この橋。
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 絶好の写真スポットになっているのか、橋の上や周辺はごった返していた。
 昼間はどうなのか判らないが、夜の街路はけっこう賑わっていて、運河と古い街並みの風情といったものはあまり感じられなくなってしまう気がした。
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 見上げると、空には月が出ていた。
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 歩行者だけの山塘街入口にあった御碑亭という建物。
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 この前が集合場所になっていた。
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 再び徒歩で帰った。その帰り道。
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 ホテルに戻ったのは午後7時半ぐらいだった。
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# by krmtdir90 | 2018-11-30 23:59 | 海外の旅 | Comments(0)

中国の小さな旅①往路・蘇州1(2018.11.19~20)

 実は、11月に予定していた別の海外旅行ツアーが希望者が集まらず中止になってしまい、ぽっかり穴が空いてつまらないことになったと思っていたところ、3泊4日で手軽に行けそうなツアーが目についたので申し込んでしまった。「陽澄湖(ようちょうこ)で楽しむ旬の上海蟹と蘇州・上海の旅4日間」というもので、見学は実質2日だけの小さな旅だった。

11月19日(月)

 今回は羽田空港発着なので、浜松町からモノレールで行った。集合は11時30分、羽田は成田のように広くないので、あまり歩かないで済んだので良かった。
 上海航空FM816便・上海行き。
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 窓際の座席だったので、往路は写真がある。
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 13時30分、羽田空港を離陸。
 東京湾上空で大きく旋回した時、東京湾アクアラインのPA「海ほたる」が見えた。
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 往路の所要時間は3時間30分、おおむね曇りだったが、途中30分ほど雲が切れる時間帯もあった。
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 中国大陸が近付くとまた雲に覆われてしまった。
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 空港が近付き、高度を下げて雲の下に出た。
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 全体がスモッグで霞んでいるように見える。
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 機内でマイナス1時間の時差修正を行い、16時00分、上海虹橋(ホンチャオ)国際空港に着陸した。
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 天候は曇り、気温などは日本と変わらないようだ。
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 入国手続きの後、空港を出て、バスで蘇州に向かった。17時を過ぎていて、あたりは暗くなり始めていた。
 この後はずっと写真がない。蘇州のホテルに着いたのは19時過ぎだったか。そのままホテル内のレストランに行って夕食となった。今回の参加者は17人なので、円卓は2つになった。食後、時間を取って簡単な自己紹介などを行い、解散して部屋に入ったのは20時40分ごろだったと思う。
 部屋の窓から、蘇州の夜景。
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11月20日(火)

 今回の旅がこれまでと大きく違っているのは、わたしが煙草を吸っていないことである。これまで、海外であろうと国内であろうと、わたしの旅はいつも煙草と一緒だった。いろいろな場面で、煙草を吸うことが一つのきっかけを作り、重要なアクセントになっていたと思う。みずから決めたこととはいえ、それをなくしてしまったのは大きな損失だったと思っている。
 これまでだと、朝食の後は妻より先に席を立って、ホテルの外で一服するのが普通の流れだった。だが、もうそういう寄り道は必要なくなってしまった。でも、レストランからそのまま部屋に戻るのではつまらない気がした。で、妻を誘って玄関の外へ回ってみた。
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 外に出て、朝の空気を肌で感じるのは重要なことである。ここに来ないで真っ直ぐ部屋に戻ってしまったら、その日の気温や湿度を実感することは難しいだろう。これまでは、朝の最初の一本を吸いながら、そうしたことを確認するところから一日が始まっていたのだと思う。その区切りというか習慣というか、それがなくなってしまったのを自分の中に受け入れるしかないのだなと思った。

 蘇州で連泊したホテルはホリデイイン・ジャスミン蘇州(蘇州茉莉花假日酒店)といった。
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 1階の右半分がフロントロビーになっていて、左半分にスターバックスコーヒーが入っていた。行かなかったけれど、これがロビーからの入口で、これでスターバックスコーヒーと書いてあるのだ。
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 部屋の窓からの眺め。
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 これは昨夜の夜景と同じ方角だが、手前にある瓦屋根の古民家群は、すでに取り壊しが始まっているところもあって、早晩すべてが撤去される運命にあるようだ。すぐ向こうは撤去が完了した空き地で、このあと駐車場になるのかビルが建つのか、いずれにせよ再開発の途上にあるということなのだろう。中国では、至るところでそういう工事が行われているのだった。

 8時30分、ロビーに集合。
 この日はまず、バスで蘇州市内の平江路というところに向かう。
 蘇州には北京と杭州を結ぶ京杭大運河(世界遺産)が通っていて、その支流をなす大小無数の運河が市内を走っている。こうした流れに沿って古い街並みが保存されているところがあり、平江路というのはそういう「歴史街区」の一つであるらしい。
 バスを降りた通り。
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 この道路の下を運河が左右に横切っていて、見えている横断歩道は、その運河沿いの遊歩道である平江路をつないでいるのである。
 平江路入口の案内看板。
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 ガイドの先導で左の方の平江路に入って行く。
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 すぐのところに運河遊覧の小舟の乗り場がある。
 午前9時を少し回ったところで、観光客の姿もまだほとんど見えない。
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 店などもやっと開き始めたところのようだ。
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 脇道などもある。
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 この左の入口の奥には「猫カフェ」があるらしい(行ってはみなかったが)。
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 路の右側には運河があって、
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 人々の生活が普通に営まれている。
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 先の方に小さな橋が架かっている。
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 9時半を過ぎて、観光客も徐々に増えてきている。
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 橋の上から。
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 橋を渡った対岸の方は特に古い街並みを意識してはいないようで、こんな感じのアパートなども建っていた。
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 この脇の方に公衆トイレがあって、ここで少し時間を取った。
 対岸の方から橋を見る。
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 ここで奥に向かって運河がT字に分岐している。平江路の方に戻って、そちらを見る。
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 この道沿いにも古い街並みがあるようだが、そちらへは行かなかった。
 再び来た道を戻る。いろいろな店が開いている。
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 スタート地点に戻って来た。
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 このあと、最初にバスを降りた大きな通りを渡り、向かい側にさらに続く平江路の方に行った。そちらで30分ほどのフリータイムが取られた。
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 ずいぶん先の方まで来たようだ。
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 平江路の起点(終点)に来たということだろうか。
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 戻りながら。
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 集合場所近くのお店。
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 右寄りの台にいろんなお饅頭が並んでいた。
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 真ん中の若草色のお饅頭を買って食べた。特にどうというものでもなかった。

 午前10時半過ぎに散策を終え、迎えに来たバスに乗って平江路を後にした。このあと、上海蟹の本場・陽澄湖に向かう。(続く)
# by krmtdir90 | 2018-11-29 22:10 | 海外の旅 | Comments(0)

高校演劇2018・埼玉県大会(2018.11.17~18)

 いろいろ事情がありまして、掲載がこんなに遅れてしまったことをまずお詫びします。まあ、たいしたことが書けるわけじゃないので、今年は簡単な感想で終わりにしておくことにします。

 今年も2日間、10校の舞台を見させていただいた。
 全県89校から選ばれた10校ということだったが、中には「ちょっと、これで県大に来ちゃうの?」と言いたくなるような舞台もあって、最近はわたしの感性がついて行けなくなってしまったところもあるような気がした。
 また、今年は埼玉が1校増枠の年に当たっていて、この中から3校も関東に行けてしまうのだと聞いて羨ましく感じた。まあ、門戸が広がるのは悪いことではないが、昔を思うとずいぶん緩いことになっているのだなと思った。

 最優秀の浦和南「緑の教室」にはあまり共感していない。こういう(高校演劇らしい?)のが時々ポンと認められることがあるから要注意だなと思っていたら、その通りになってしまった。生徒創作としてはそれなりに書けていると思ったが、全体に話が都合良く進みすぎるところがあって好きになれなかった。教室に行けない生徒たちを取り上げるのはいいが、一人一人が抱え込んでいるものの多くが、ほぼ言葉で説明できてしまうのが物足りないところだと思った。
 教室に行けない生徒と言えば、坂戸がやった「うさみくんのお姉ちゃん」は気に入らなかった(「台本として」ということで、坂戸はいつものようによくやっていると思ったのだが)。数年前の全国で最優秀になった本らしいが、当該の生徒をこんなふうに戯画化してしまっていいのかと感じた。笑いを取るためなら何をしてもいいという感じがして、何だかなりふり構わず書かれたように思えていい気分はしなかった。
 それに比べると「緑の教室」は節度があって良かったが、それでも最後のあたり、やや感動させようという意図が先行して書き過ぎたところがあったかもしれない。もう少しサラッと終わった方が、後に残るものは大きかったのではないかと思った。

 優秀校の2校は妥当な選出だと思われた。
 新座柳瀬の「Ernest!?」は、地区の時のあざとい作りなどがしっかり改善され、新座柳瀬本来の、やり過ぎることのない品のいい舞台になっていたので良かった。やはり柳瀬はこうでなくちゃいけない。笑いを取る気持ちが先行したら見苦しいのであって、ラブコメディの「ラブ」の部分を衒いなく丁寧に描いてみせることで、観客を幸せな気分に連れて行ってくれるのが本筋なのだと思う。
 この視点で考えると、「Ernest!?」は「Love&Chance!」と比べて(敢えて言うと)、3幕物の原作を60分(しかも一場)に圧縮するところでかなり無理が生じていて、人物の出入りのきっかけ作りに若干苦しいところがあったり、アルジャノンとセシリーという(第2の)カップルにやや説得力が作れていないのが弱点になっている気がした。とは言え、走り出したら止まることなく走り切って見せる手口はますます磨きがかかっていて、装置(街灯)・照明を最後に生かしたエンディングもお洒落に決まっていたと思う。
 所沢の「プラヌラ」は、正直に言うと途中で少し寝てしまったので申し訳ないのだが、いままでまったく(と言っていいほど)寝落ちの経験がないわたしとしては、開き直って、所沢の舞台が「つかみ」のところでわたしを掴んでくれなかったのが悪いと言ってみたい気もしている。最初から単サスとエリア明かりの連続で、舞台上に少ない情報しか与えてもらえなかったこと、さらに、ある意味モノローグ風の単調なセリフ回しが続くことも相俟って、劇世界にうまく入り込むことができなかったような気がした。
 もちろん、そういうことすべてが意図的に作られた舞台だったのは判ったし、それが最後まで貫かれていたことは理解できた。寝てしまったことは(何はともあれ)反省しなければならないし、もう一度見られるチャンスができた以上(所沢は必ずしも縁のない学校ではないのだから)、栃木まで再見に出掛けなければならないかなと思っている。

 秩父農工科学が3校に入らなかったのは意外な気がしたが、今年の「ゼロデプス」は台本として何がしたいのかがはっきりしなかったように感じた。主人公の出生のこととか進路のこととかが少しも深まらず、観客に訴えてくるものが何もないという印象だった。ビジュアルなどは相変わらず素晴らしかったが、肝心のドラマをちゃんと作ってくれなくては仕方がないと思った。
 草加南の「はなまぼろし」は、ずいぶん古い本を持って来てよくやっていたと思うが、こういう舞台を作るなら必須の細部へのこだわりはまだ不足という気がした。赤子が一瞬で花びらになってしまうところはゾクッとしたが、エンディングの花吹雪はもっととことんやってくれないと満足できなかった。

 最後に大会運営について一言。
 終了後の段取りが今年から変わり、いきなり結果発表と表彰があったあと、場所を地下2階の大練習室に移して、改めて講評会を行うというかたちになっていた。
 結果が判っていたからなのか、講評順序も入賞校を優先するかたちとなり、時間配分も入賞校にかなり手厚いものに変わっていた。確かに入賞校に対しては丁寧な講評が行われたと言っていいが、それ以外の学校は後回しにされ駆け足となって、相対的に扱いの軽さが目立つことになってしまった(時間配分も減ってしまったかもしれない)。講評の公平性が失われたわけだが、果たしてそれでよかったのかどうか。生徒の意識としても、結果が判らなければすべての学校の講評に聞き耳を立てるが、結果が出ていてはそのあたりが果たしてどうなっていたか。
 また、出演校以外の生徒にとっては、従来は引き続きホールで行われる講評までは聞いて帰ろうという気分もあったようだが、1時間以上も待たされる上に場所の移動があっては(しかも、講評内容が入賞校中心になり、終了時間も遅くなることが判れば)、今後、講評会への参加はかなり敷居の高いものになりはしないかと危惧を感じた。今回の変更はそれなりの意図があってのことだと思うが、今後に向けて功罪をしっかり検討する必要があるように思った。

 あと、付け加えておくと、3人の審査員の中では、甲府南高校顧問の中村勉氏の講評が、端的な言葉の中に首肯すべき内容がいろいろあって印象に残った。どの学校に対しても率直に断じようとしているのが判り、無理に褒めようとしていないところも好感が持てた。
# by krmtdir90 | 2018-11-28 14:35 | 高校演劇、その他の演劇 | Comments(2)


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